Gibson SG LES PAUL CUSTOM

1971年。E Pluribus Funk レコーディング&ツアーのみで使用。
当時GFRの前座だったハンブル・パイのスティーブマリオットからMARKが購入したもので、MARKのギター遍歴中、唯一のヴィンテージギターですね。
アルバム全編、センターPUとリアPUをMIXした独特のフェイズアウトサウンドで、それまでのMARKのトレードマークだったMessenger のフロントPUサウンドから、大変身した異常なまでのトレブリーな音に、恐らく当時のファンは驚いた事でしょう。

ちなみにこの音。有名なジミーペイジの改造レスポールのフェイズアウトサウンドとそっくりです。

なぜお気に入りの Messnger から、このSGに持ち替えたのでしょう?
これはあくまでも推測ですが、'71年全米ツアーの本土最終公演が例のShea Studium で、その翌週が、嵐の後楽園&大阪球場公演で、ハワイを経由してツアーを終了させたワケで、となると、嵐の日本公演が、Messenger の寿命を奪ったのではないのか。と。

金属ネック、紙テープでのFホールマスキング、ハンドペインティング、そういうギターを大雨の中で使ったワケです。しかも酷使され続けてきたギターです。
更にShea Studium ではノーマルだったリアPUが、後楽園ではGibson UPに交換されており、これもMARK自身の手で無理矢理穴を開けて取り付けられた様子ですので、推測ですが、BEAT UP のやり過ぎ&雨ざらしにより、Messenger が終わってしまい、SGに換えた。のではないかな?と。

僕自身の所有するMessengerを、どう眺めても到底雨ざらしに耐えられるようなギターとは思えません。

2002年末に発売されたサバイバルのデジタルリマスター盤に収録されているボーナストラックのFootstonpin' Music を聴くと、当初のレコーディングがいつもの Messsengerで着手されていた様子が確認できます。
MARKのプレイ中、最高の出来。と言われる I Come Tamblin' を聴けば、Messenger とは次元の違う弾きやすさのギターを入手して、全て録り直したのも理解できます。

で。このSG。おそらくテリーナイトとの裁判で差し押さえられてしまい、次のPhenixではすでにMARKの手元に残ってなかったようです。
そして、その時期、幾多のエンドース誘いが有ったそうで、その中からアウトサイダーMARKはMicro-Frets に行くワケです。ちなみに白いSG‐Costomを抱いたMARKの正面写真は、ほとんど存在しません。
従って、このギターをMARKが使っていたこと自体、あまり知られていません。
裁判の一件で、当時の機材だけでなく、この時期のPhotoも全てテリーナイトによってお蔵入り&差し押さえとなってしまったのでしょう。

左の写真は、その中でも貴重な一枚で Thailand で発売された GFRのEP盤です。

もし、鮮明な画像をお持ちの方が居たら、ご一報くださいっ。

見たい〜!


と、孤独に叫び続けましたところ、掲示板を通じて思いもよらない情報を頂きました。
「ハンブルパイのステージ画像で、スティーヴマリオットじゃないけど、Peter Framptonが白いSGを弾いてる画像がありますよ。」

そして送って頂いたのが、このPhotoです。

スティーヴマリオット氏が白いSGを弾いている姿の写真も見つからないので、なんでだろう?と、ずっと思っていましたので、これで納得です。
Peter Framptonの使っていたSGが、ステーヴマリオットを経由してMARKに売られた。と。
アーム部分のカバーのテカリ具合が、数少ないMARKのSG写真に酷似しています。
ネック付け根のピックガードが無いのも、いかにもネック修理しました。というカンジです。
ありゃ。ボディのピックガードもありませんね。これは大発見です!(他愛も無い事ですが。。。)
上のEPジャケットではPickUpカバーが外されオープン黒になっています。
ピックガード無しなので、カッコ良く見せようとしたのかもしれません。
メッセンジャーをミドリ色に塗ったアウトサイダーMARK FARNERが、一緒にツアーしていたハンブルパイが使ってたギターを、ある日、突然使い出すんですから、そのまま使うとは思えませんので、でもGibsonにペンキというのもチュウチョがあって、PickUpカバーを外してイメージチェンジをした。
といのが、私の推測(妄想)です。

そーかぁ。。。そうだったのかぁ。。。。。全部、外さなきゃあならないのか。。。。。。

Photoを送ってくださった No Lies さん.
ほんとうにありがとうございました。


そして。。。。。。やってしまいました。
これが、現在までに入手できた極わずかな資料から解明した、
The “MARK Mod” SG Custom です。


写真1

まずは、写真1のPeter Frampton氏の画像から、アームバーとピックガード類が、元々無かった事が判明。


写真2

更に写真2のEPジャケット写真により、フロント Pick Upカバーが外されている事が判明しました。


写真3

写真3から、センター Pick Upのエスカッションが外されている事が判明。


写真4

写真4から、リア Pick Upも黒く、センター Pick Up部分に「細くて白い物」が確認でき、これは恐らく Pick Upカバーを外したら、センターだけ白黒ゼブラボビンだったものと判断しました。


Mark!! こっち向いて

かくして、「よぉーし、わかった。マチガイナイ!」 と、決め付け、さっそく暴走みたのが上の変わり果てたSGの写真です。

ところがイザ出来上がってみると、ピッキングの邪魔で、どう考えてもこれじゃ歌いながら弾きまくれない。と感じていたセンター Pick Upと、痛くて仕方ないそのエスカッションの問題が完全に解決し、『 フムフム、これはマチガイナイな。。。』 などと、充分に説得力の有る仕様となりました。

アームバーも、手は当たるし、スイッチやツマミが動かせない防波堤のような形状でしたので、これも 『 フムフム 』 と。

出来上がったギターは、ご覧の通り Gibson社の最高級品としての面影はなくなり、えらいチープな印象となってしまいましたが、これを称して WILD と言うんだな。などと、ひとり悦に入っております。

Pick Upカバーを祈りながら一個ずつ外していったら、案の定センターだけはMARKのそれとは異なるダブルホワイツボビンでした(チクショー!)ので、傍に有ったマジックペンで半分黒く塗ってしまったのですが、それがまた、余計にチープな仕上がりを演出してしまい、『 WILD だぜ。』 などと自分に言い聞かせております。

私事ですが、私はギターいじりの中で一番キライなのが、 Pick Upをエスカッションに吊る作業です。バネがなきゃー楽なのですが、もう最高にイライラします。なので、MARKがセンターをエスカッション無しにして、恐らくボディにネジでダイレクトマウントした気持ちが、なんとなく分かります。

「3個もやってられるか!」 みたいな。。。

今時点でのわずかな資料から判断しました、これぞ幻の、MARK仕様のSG! 。。。。のハズです。


そして2005年秋、長年、謎であったその仕様が、ついに明らかになりました。

『これがMARK仕様のハズだぁー!』 と、イチカバチカの大改造を施したSGが、“大正解”であった事を、ここにご報告致します。(長かったぁ〜)

やっぱり。アームもピックガードもセンターのエスカッションも外されてたんですね。

「マーク、小指をどけてセンターピックアップのブリッジ側のボビンの色を見せてくださいっっっ!」 

いつもはグーでピックを持つのにィ。

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