毎々。ライヴのMCでいちばんウケるのが楽器の説明なんですが(←結局みなさん楽器オタクなんですね)
だいたい、ライヴで使う楽器は毎々同じなので、そろそろMCネタに困ったな。と。

悩んでいた矢先。
すんごい大発明を思いついたので、早速、今回のライヴからステージに登場させました。
強烈なる新兵器。その名も、

"Foot On Can Sawky"

コレです。

ま。漢字に訳すと、三洋布団乾燥機です。(笑)
真空管アンプを冷やす目的や、ステージ上の換気や演出のために、“冷風”の出る扇風機を使用する方は世の中たくさん居ます。
しかし、ステージで布団乾燥機を使い、温風を送り込む人など、生まれてこの方観た事も聞いた事もありません。
なので、たぶん、ボクが世界初。(笑) かな?
で、何に使うか?というと、これをギタースタンドにセットして、ギターを人肌に暖めておくんです。
このようにセットします。

なんでか?

かつて織田信長のわらじを豊臣秀吉が懐で人肌に温めたら天下人になれたっていう逸話がある通り(ちょっと違う?)、メッセンジャーを人肌に温めたら天下無敵のGFRサウンドを。。。。ウソです。すみません。

冷えてても、ギターの音は同じです。

実は。メッセンジャーのネックはアルミ製なので、寒いと冷えて「縮む」んです。

で。弾いているうちに、手のひらの体温が伝わってネックが人肌に温まってくると、「延びる」んです。ネックが。
各弦のチューニングを合わせた後に、ネックが延びると。。。。

そうです。
チューニングはどんどん上がっていくのです!

弦巻き(ペグ)が緩んで、チューニングが下がるのって、ママありますし、その場合はちょっと弦を引っ張り上げながら弾いて誤魔化かしたりもできるんですが、チューニングがどんどん上がってしまうと、これはもう手に負えません。

ただのオンチと化します。(涙)

この狂い。アナドってはいけません。どのくらい上がるのかっていうと、冬の朝、金属ネックがチンチンに冷えきったツメた〜い状態から、人肌に温まったとすると、ナ・ン・ト・「半音」も上がるんです。

半音ですよ。半音。

ドレミファソラシドの、幸せのシは、ドーナッツのドになってしまう。
みんなのミは、ファイトのファになってしまう。

♪ ミーは、みんなでファイトのファ〜♪
♪ シーは、ドーナツ食べて幸せのド〜♪

歌えやしませんよ。まったくもう。
(何人かの人がこれを読んで、アタマの中で歌ったハズですね。歌うときに「ミー と ファー」、「シー と ドー」 のトコのメロディをちゃんと半音上げて歌ってくださいよ。なおのことイラっとします。)

で。これはつまり、メッセンジャーは、冬はチューニングが狂ってイラっとするのでライヴでは使えない。という意味でして、いろいろ対策考えたんですよ。なんとしても使わねばならないんで。(笑)

でで。思いつきました。
温めておけばいいワケじゃん!。と。

で、何で温めよう。と考え始めて先ず思いついたのが、
「貼るホカロン」

注意書きを見たら、
「低温やけどの危険があるので、地肌に直接貼らないでください。」とあるが、
「ギターはやけどしないだろ」と、ぺタリと貼ったところ。。。
あれ?全然、温まらないぞ。

どうやらホカロン内部の石灰が空気に触れて温まる(この辺の理屈は化学書参照)温度変化速度より、アルミの熱吸収率の方が速い。
ようするに、ホカロンの発熱を冷えたネックがどんどん吸収してしまうので、いつまでたってもホカロンが暖かくならない。
最初はそれが分からなくて、「なんだよ、不良品かよ。」と思って、このところ不調気味の腰に直接貼ったら、ちゃんと低温やけどした。くそう。かゆいぞ。

で。あえなく失敗。おまけに注意書きを無視してはイケナイんだと学習し、ネックに直接貼りつけたホカロンを急遽はがしたら。

あうっ○×□▽!。  塗装がハゲた。

しょんぼり。。。(涙)

こうなったら意地です。
ホントに温まればOKなのか、と、今度はドライヤーでブォ〜って、温めまくりです。

したらば、ナント。結果はバッチグー。

ネックが温まると、やっぱりチューニングが上がる。で、その状態でチューニングを合わせれば、それ以上は上がらない!

厳密に言えば、温めたネックの温度が再び下がりはじめるとチューニングも少しずつ下がるんだけど。
まあ、一度温めておいて、室温に応じて温度が下がった状態が、ほぼ人肌なワケで、よっぽど寒い環境なら、どんどん下がり続けるけど、屋内で人が居る環境(スタジオやステージ上)ならば、チンチンに冷えるトコまでは戻らないワケです。

ようするに、一度チンチンに冷えてしまうと、さっきのホカロンで証明した通り、アルミネックは、そのチンチンをキープしてしまうので、一度温めてやればいいワケ。
で、ニンマリしつつドライヤーでブォ〜ってしながら、ハタと。

オイ待て。
ライヴで1曲目のイントロ弾く前に、ブォ〜って、このカッコ、見せられねえだろう。と。
作業のエヅラがダサいぞ。と。(笑)

で。どうすりゃいいんだと悶々とした日々が数日あって、ある日、フト開けた押入れの中にポツリと。

最近すっかり使わなくなったコイツが居たのです!

"The Foot on can sawky "

その瞬間、神様のお告げが降りてきたのです。布団乾燥機だろが。と。
タイマーで4時間連続運転可能です。
ブォ〜ってうるさい音んも出ません。20年前に家電業界で流行った“静音設計”なのです。
ダニ殺し機能もついてます。
天才です。ボク。
だあれも誉めてくれませんが。これは世界初の発案なのです。
声を大にして、世界中のメッセンジャー・オーナーに言いたいっ!
布団乾燥機ですよ。奥さんっ。

ネックだけでなく、ボディまでもアルミで出来ていてるが為に、さらに冬に弱いVELENOの場合、このような姿となります。


【FOCS with VELENO】


【FOCS with Poncho】

【FOCS with Poncho 2】

インディアンのポンチョです。
どうです。
さっきまで「布団乾燥機かよ」と笑っていた貴方、こうなるとカッコイイでしょう。
F-1レースのタイヤを温めておくがごとし。
何やらスピリチュアルなモノを感じずに居られないのはボクだけでしょうか?(え、ボクだけなの。)
ま、いいや。

そおいえば、マーク・ファーナー尊師は、どうしていたんだろう。
まあ、ライヴ・アルバムでもMCハナシながら、チューニングしている様子が収録されているので、たぶん曲間で頻繁にチューニング直していたんでしょう。
でも、VELENOに関しては映像見るとあんまりチューニングが狂ってません。
新品当時は狂いにくかった。とか、普通に考えられますが、ボクの推理では、ほんとうに温めていたんだと思っています。(当時は布団乾燥機は発明されて無いんで、たぶんドライヤーで。)
なぜなら、VELENO時期のマークは上半身ハダカなんです。
そしてストラップが短い。VOLENOは尊師のブ厚い胸板の横隔膜のすぐ下にぶら下がっています。
やってみたら理解できるんですが、チンチンに冷たいVELENOは、肩から下げて、おなかに付けられないんですよ。「ひー」ってなっちゃう。
ボクの場合こらえ性が無いんで有名なんですが、我慢強い人でも、これから本番だっていう精神状態で、そんなストレスをとても耐えらるとは思えない。

なので、
「寒冷地でのライヴでは使わなかった」
「スタッフがある程度温めてから渡した」

のどっちかですよ。きっと。映像も温暖な気候のロサンゼルスですしね。

楽屋でインディアンのブランケットに巻いていた。とか、かっちょいいイメージありますよね。
(ボクは布団乾燥機だけど)

で。この“新たなる世界基準”となる凄い発明ですが、な・ぜ・か。
その凄さがいまいち伝わらず、バンドのメンバーに不評なのです。
練習スタジオ内が暑い。エアコンの効きが悪くなる。。。etc, etc,

先般のライヴでは会場のエアコン設定ミスとお客さんの熱気で、会場内の温度が異常に暑かったのですが、それまでが布団乾燥機のセイだと思われ。

そんなパワーねえ。っちゅうの。 ねえ。

テナワケで、バンド内に温度差をもたらす(←上手いっ)本機ですが、先般、尊敬する日本最高のハードロックギタリストY本K司さんと御一緒させて頂いた時だけはさすがに恥ずかしかったー。(笑)

「エージ君、これが噂の布団乾燥機? ホントにこうやって温めるんだ。」

って、御声を掛けて頂き、

「は、は、はいっ。(←裏声) す、す、すみませんっ、暑くって。」

と、まるで会場の暑さが自分のセイのように恐縮しまくり。(爆)

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