初期のレコーディングや作曲で愛用された Washburn のアコースティックギター。 これも日本では入手困難な上、戦前のヴィンテージゆえに高価なのですが、奇跡的な安値(航空便代と同じくらい)で譲って頂きました。 当然何ヶ所かリペアを要する状態にありますが、少しずつ直して、この歴史的にも貴重なギターを
MARK がそうしたように大切にしていきます。 - I 'll carefully keep in future.-
1920年代〜1930年代頃のギターで、なんと80年もの歳月が経過しております。
Closer To Home や Sin's a Goodman's Brother のイントロで、その独特の音色が聴けます。
3rdアルバムを愛聴された初期のGFRファンにとってはある意味 Messenger と同じくらい印象深い音色なのではないでしょうか。
MARK はそのギターをとても大切にされていたのですが、悲しい事に飛行機会社の不手際による盗難に遭ってしまったそうです。
以来、移動時にはご自身の愛用ギターをご自身で運ぶ事にしたとの話です。
Washburnは、戦前のギターメーカーで、残念ながら戦争を境に消滅してしまいましたが、そのクリオリティの高さはアメリカでは有名でした。
現在市場で見るWashburnブランドは、1979年に設立されたアメリカのメーカーがWashburnのブランド名を買い取ったもので、生産は日本で行われておりました。
残念ながら MARK
がWashburnを抱いている写真が存在しませんが、その独特の響き、年代検証からMARKの所有していたのは戦前のWashburnという事になります。
このギターで弾く曲は2曲だけ(しかもイントロのみ)です。ご覧の通りブリッジが剥がれてしまっているので、まだ鳴らせません。
リペアー後、一発目は Closer To Home
にしようか、Sin's A Goodman's Brother
にしようか、誰か決めてください。
そして遂に。 これまたすごい偶然と素敵な出会いによって。 事の発端は2005年末、欲しかったグレコのメッセンジャーを突然くれちゃったグレコクレタ・コグレさんが、今度はカスタムメイドでメッセンジャーを作るとの事になり、その作業を引き受けてくださった工房さんに電話をかけたのです。 「コグレさんのメッセンジャー製作の資料は私が用意します。」 ナント。工房さんは昔リペアされた素晴らしいウォッシュバーンが印象深く、ご自身の製作されるギターの参考にするために捜されていたとの事なのでした。 何という偶然でしょう。
これには私も驚きましたが、当の工房さんもビックリされたそうな。 「そういえば、そーゆー奇跡がいっぱい起こる。って書いてあったけど、まさか自分の身にホントにイキナリ起こるとは!」 と。 で、早速、素晴らしいとは言い難いコンディションのウォッシュバーンと採寸用メッセンジャーを持って工房を訪ねまして、「どーぞ、どーぞ御参考としてください。これはクローサートゥホームという曲の・・・」と、いつもの調子で。 すると工房さんが驚きの一言を。。。
「コレ、直したい。。。商売じゃなくて。」 100年もの時間を経て反りに反ったネックのお陰で弦高は1センチ近くあるし、指板にはヒビ、ネックのヒールは剥がれかけていて、そりゃ御専門家の目で見れば余りにも可哀相な状態だったのですが、素人の私にはこれが修復可能とも思えずに居たワケです。 そして左に並んでおりますのが作業中の写真。 アイロンで熱をかけてとりあえず弾きにくいネックの反りを直して頂く。くらいのつもりが、もう本格的にネックを抜いて指板も補修して頂いて、ぺったんこだったブリッジも見事に直して頂いて、当初の修理計画よりカナリ本格的な作業となってしまったそうなのです。 が、私の方はというとクリーブランドへ行ってまして連絡がとれない状態でしたので、全てが山崎さんにまるっきりおまかせ状態だったワケです。 で。出来上がったギターを見てもうビックリ。
|
素晴らしいマテリアルと最高のサウンドを持ったギターである事を
この状態になって、ほんとうに実感できたのです。
山崎さん。ありがとう。
私のアンセムである「Closer To Home」を、遂に弾くことができるようになりました。