“Tales of the American Band”
これは1999年にドン・ブリュワーの奥方、サニーさんが出版した本です。
1996年〜1999年の間、マーク・ドン&メルのオリジナルメンバーにより再結成したGFRのツアーに帯同されたいたサニーさんは、GFR復活を熱狂的に支持した多くのファンとの交流を計る為、ファンミーティングを各地で精力的に行っていたように記憶しています。
1997年にはオフィシャル・サイト(現在のGFR名義のサイトとは別モノ)が開設され、その中でサニーさんは定期的に、今で言うブログのように、ツアーでの出来事やファンへのメッセージを綴り、「ああ、サニーさん御自身が熱狂的なGFRマニアなんだな。」と誰もが親しみを感じていたと印象に残っています。
この本は、そんなブログ的なサニーさんのメッセージ集と、アメリカ中から投稿された150人以上の熱狂的GFRファンからの熱い手紙を、一冊の本にまとめたものです。
GFRが3度目の再結成した1996年当時は、正にインターネットの爆発的な普及前夜でした。いまではプロ・アマ問わず常識となったアーティスト・サイト(オフィシャル・ホームページ)も、当時はまだまだ一部の有名アーティストや先進的なアーティストが細々と開設しているにすぎない時代でしたので、「へえ、あのアーティストのホームページって有るんだ。」というような会話が一般的な時代でした。そんな中、いち早く公式ホームページを立ち上げた再結成GFR・・・っていうのはウソで。ほんとはかなり遅れての登場で開設されたオフィシャルサイトですが、よくよく見てみると。。。以前から開設されていた熱心なGFRファン(アメリカの方、たしか女性)のサイトがそのまま、ある日気付いたらオフィシャルになっていた。というような経緯だったように記憶しています。
それは同時にネット時代になり、「GFR」の商標や「指差しマーク」の意匠権が突然、厳格に管理される時代の到来でした。これも今ではYouTube動画のように「ある一定の基準」が確率されつつありますが、当時の状況はオフィシャル以外のファンサイトが一斉摘発(商標の無断使用に対する警告=事実上の閉鎖勧告。だってGFRって名前も使えないとなれば、何も書けないですよね。)となったりで、ほんとうに混沌としていました。
なあんとなく、70年代に有名なエピソードとなったGFRとマネージャーの版権裁判沙汰のイメージがオーバーラップしてしまい、ホームページって敷居が高いなぁ。と思ったりもしました。
そんな中で、そのオフィシャルサイトで販売されたのがこの本でした。
一般家庭にまだまだパソコンが普及しておらず(=ウチにも無く)、海外サイトへの通販申込みが未体験だったこともあって、洋書店に輸入される日を待とうかな。などと考えていた矢先、突如“その日”は訪れたのです。
GFR活動停止。
ある日、突然、発売されたばかりのこの本は、ホームページ閉鎖に伴い、入手する術を失ったのでした。
なので、これは、その当時に、ホンのわずかな期間中に申し込んだ人だけが入手できた“幻”の本なのです。
そ・れ・が。
生涯、読める日は来ないと諦めてから、10年経ったある日、Kenmokaさんからプレゼントされた雑誌の切り抜きやポスターの中にソレはまぎれていたのです。
ソレとは、一枚の英文の手紙です。GFRファンへの謝辞に添えられた名前は“Sunny”でした。
すぐにピンと来て、Kenmokaさんに確認させて頂きました。
「あのぉ、英文の手紙が一枚、まぎれていましたが、どう読んでも、この文章は、ドンの奥方サニーさん独特の文章だと思うんです。(←10年前にネット上でさんざん読んだので)この“Sunny”さんって、ドンの奥さんのサニーブリュワーさんですよね。Kenmokaさんは、サニーブリュワーさんと御関係があるのですか?」
と。
「やっぱり気付きましたね。それは“本”を買ったら一緒に送られてきた手紙で、それも預っていてもらおうと思って送りました。」
と。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待った!その“本”って、まさか!」
「えっ、持ってないんですか?」
「持っている人は日本にはKenmokaさんだけかもしれませんよ!」
と。
で。読ませてくださいと拝借して。
で。で。読んでみたら驚いた!
このGRAND FUNK MANIAC にアメリカからメールをくださった、知っている方々の名前の投稿がたくさんあるし、ある方のGFRエピソードには、「日本からやってきた強烈なGFRファンと出会った。」とかって書いてあって、それがボクにL-5Sをプレゼントしてくれた親友のSohnさんだったりで、読めば読むほど、「なんだなんだこれは!わかっていたけど、やっぱり世界中に強烈な暴走機関士がいっぱいいるんだ。ボクなんて小僧もいいとこぢゃん。みなさん、すっげえ!」って。
ギャグ漫画でもないのに、ニタニタ・ニンマリ・ゲラゲラ笑いながら、この“幻”の本を読ませて頂きました。
ほんとうに、やっぱり。グランドファンクって素晴らしい!
これだけたくさんの想いがひとつになれば、絶対に、また復活してくれるな。って、確信めいたモノがフツフツと沸いてきて嬉しくなってしまいました。
久しぶりに、GFRの凄さ、デカさと、自分がまだまだ小僧だということ、まだまだもっとたくさんの強烈な想いを抱いた方々がこんなにもいっぱい居て、その方々と出会える予感を再認識できて、これはほんとうに素晴らしい“本”との出会いになりました。
ありがとうKenmokaさん。
“あの日”に、突如行き先を見失ってしまった自分自身が乗車するために走り出したこのGRAND FUNK MANIACが、今ではたくさんの暴走機関士さん達が乗車してくださって、気付いたらココまで来ていました。
グランドファンクがボクにたくさんの友達を紹介してくれて。
で。10年経って、こうしてこの本をお借りして読める日がやってきて、あの日に戻って。初心を忘れるな。と教えてもらえました。
やっぱり、居ますよ。世界中に、強烈なGFRマニアの友達が。
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