1969〜1971 Effector


Thomas cry baby


TDKインダクター回路部

初期のGRAND FUNK RAILROAD 時代(1970-1975?)といえば、このシンプルな2Pedals が黒い板に載せてあるだけなのです。
Inside Looking Out (Japanes) 7'inc EP photocover で確認できます。(写真左)余談ですが、Markのインタビューによれば、この写真はあの幻のマディソン・スクエアガーデンとのことです。

- Thomas cry baby -

最近のインタビューでMARKが

『TDKインダクターの Cry Baby がお気に入り』

と、語られていたと知り、早速、当時のTDKインダクターを使用していた Thomas のワウワウを入手しました。

メイド・イン・シカゴ

VOX や JEN よりも、ペダルの横幅が狭い。細長く見える。
で、ナゼかやたらに重たい。
ペダルの可動幅が狭く、感覚的には 1センチくらいしか上下しないカンジ。

ところがっ!

これが、すっごく良いんです。
InNeed の間奏の後の“G” ギャウ〜 っていうアレ。
VOXだと半開き、JENだとちょっと戻さないと行き過ぎるアレが、ちょうどピッタシのトコで止まるんです。

驚いたのは、Paranoid のイントロ。

FUZZ と MIX して、ラジオが壊れたようなヒステリックノイズが ピィーャ〜 って変化するアレ。
そのまんま。おんなじ音が出ます。
VOX や JEN や 最近のDunlop では、微妙に狙わないと出ないのに。これは踏むだけ。
ちなみに2004年の来日公演でご使用されていたBOSSのワウは、意表をついてピィーャ〜ってなります。(←脱線)

更に更に。

2nd アルバムで聴けるトレブルブースターとしてONにしたままの音。
これぞ、TDK5103 の音だったのです。
踏むだけで、全くおんなじ音。出ます。感動モノです。
Hooked on love の8分音符の Wave も、LIVE ALBUM のあんまり効いてない In to the sun のカッティングも、コレだったワケです。
自称、ワウワウ・コレクターなんですけど、なんとも遠周りをしてしまいました。
Thomas に違いない。って思っていながら、お気に入りのヴィンテージ・ワウを浅はかにも使い続けてしまいました。
修行が足りてません。コレでした。
メッセンジャー&FUZZ + WEST + Thomas =初期のGFR Sound だったワケです。

- DeAlmond Volume Pedal -

右側のペダルはDeAlmond社製のヴォリュームペダルです。
'60年代モノは、この写真のような形状で、左のCry Babyよりもひとまわり小さく、出力側は約2メートルくらいのコードがダイレクトに出ています。
70年代モノは、ペダルの先端部形状がもう少し大きいようですし、中央のネームプレートがダ円形になります。
当然MARK御用達のヴォリュームペダルの資料などというものは存在しませんので、参考写真(孤独の叫びEP) から判断するしかなく、以前に間違えてマエストロ社の「ブーメラン」というワウ&ヴォリュームペダルを購入したことがあります。
たしか、こんなカンジのカブトガニ風だったなぁ。と。
ところがCryBabyと並べてみたら、ブーメランのほうが大きい。参考写真と違うっ。
カブトガニ には、オスとメスが居たのかぁっ!
で、CryBabyより小さくって、側面にナニやら“ふくらみ”の段差があって、丸いエンブレムで、INPUTジャックが先端寄りにあって、etc, と分析していきまして、DeAlmond の60年代モノ(♀)に辿り付いたワケです。
ちなみに高い授業料となった「ブーメラン(♂)」は、ワウワウとしてはなかなか良い音がしますので、ツガイで手放せずに居ます。

このカブトガニ型のヴォリュームペダルは、足を乗せる面が湾曲しているために、慣れないと微調整がとても難しいんです。
ましてヒールの高いブーツでコレを歌いながらコントロールしていたなんてMARK師匠の足技は凄い。
'74年のライヴビデオをお持ちの方は、HeartbrakerのAメロでの妙技を御覧下さい。

ペダルよもやま話し。

21世紀になって発売された新しいLIVEアルバム『 Live in '71 』 のラストに、テリーナイトが興奮した観客を説得しているMCが聴けます。
「さがってくれ。新鮮な空気をステージに。通路をあけてくれ。そして、そこのお前。MARKのペダルを返せ!!」
そして返却されたペダルをつなぎ直して、怒涛の In to the sun がスタートするワケです。
「アンコールができないんだ。あとでバックステージに来れば、あげるから、返せ。」
見事な説得でブーイングの嵐を一発で納めてしまうテリ―ナイトの手腕が垣間見える場面です。
そのときに「 Cut Off 」されて盗まれかけたのが、この Thomas & DeAlmond なワケですね。

 


Heathkit
- Heathkit -

左のHeathkitは、グランドファンクのFUZZ サウンドの鍵を握る幻のエフェクターです。
日本では全く知られていません。GFRの場合、そういうのばかりです。
見つけ出すには何年もかかったのですが、当サイトでは幸運にも4台所有しています。(写真はEiji所有の2台)
なにぶん古いFUZZですので、一台一台が微妙に違いますが、そのサウンドは正に“Got This Thing On The Move” のアノ音です。
MARKはこれを足元に置かず、“ある場所” にセットして使っていたようです。
詳しくは Messenger - FUZZ サウンド - をご覧下さい。

- FUZZの話題ついでに -

最新情報による『 答え合わせ 』 です。
『Messenger のFUZZ は Heathkit だったんじゃないかという説があるのですが。』というインタビューに、MARKご自身が答えてくれています。
『 そうだ!その名前だ。忘れてたよ。思い出した。それがそうだよ。』 と!
更に、『 じゃあ、Mu-Tron Bi-Phase は?』
『 そうだ!それも使ったよ。』 と、こちらもご回答頂き、このHP上で“仮説”として扱ってきたことが、ご本人のお言葉で立証されました。GFR研究家としては至福の想いです。
前述の Gimme Shelter は記憶にないらしいのですが、はたして Big Muff説は、いかにっっ !?


- ELECTRO HARMONIX BIG MUFF -

MARKがコレを使ったという記述はどこにもありませんが、とあるナゾを追い求めた結果、コレに行き着きました。
それは、なぜ、名曲 「Gimme Shelter」 だけが音が全く違うのか。という点です。
その他の曲で聴けるFUZZ サウンド( Messenger内蔵のHeathkit )とは明らかに違い、和音が成立する歪み。
もちろんWEST単体ではこれほどの歪みは得られません。
ぶっ太くって、6弦がブチ切れてて、でも和音が成立する、FUZZ とディストーションの中間くらいの音。

Messenger入手後、この曲だけ同じ音にならないので、永遠のナゾだったのが、 偶然、Big Muff を試したら、聴きなれた、「あっ、この音 !!」 と、大発見したワケです。
更に。もう一曲、『 コレだけが音が違う。』っていう曲が存在します。
超有名曲、「We're An American Band 」 のイントロだけの、アノ音。
ギターソロの最後の部分だけの、アノ音。
曲の一番最後にもワンフレーズだけ出てきます。
Micro-Frets と、 “この曲だけスイッチを一番右にセットした” MXR Phase100 と、“他の曲では聴けない” FUZZ とディストーションの中間くらいの歪みで構成されています。
で。Big Muff を試してみたら。。。。私の耳にはビンゴでした。やっと知恵の輪が解けたカンジです。
MARKは全てのアルバムで、アルバムを通して使用ギターや音の歪み具合にあまり変化をつけないのですが、この2曲だけが例外なのです。

シングル盤として発売される特別な曲として、凝った音作りがなされたのではないでしょうか。で。凝ると、銀色の箱がスタジオに登場する。。。。とか。

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