これはマーク尊師がGFRデビュー前、テリー・ナイト & ザ・パックにベーシストとして在籍していたときに愛用された日本製のベースです。
証拠写真はコチラ。
で、数年前、テリー・ナイト氏が亡くなる直前のインタビューによれば、マーク尊師はベース・プレイヤーとしても素晴らしい腕前だったとのこと。
トナレバ、これはもうテリー・ナイト氏の遺言(?)としか思えないし、ベースが趣味でマーク尊師の信者たるボク的には、探求心がムクムクと湧き上がってくるワケです。(笑)
ええっ?病気なんですか?コレ。
でもでも。マーク尊師のプロフェッショナル・ミュージシャンとしての経歴の、一番最初の楽器が日本製だった。ってダケでも、感慨深いモノがあるぢゃないですか。ねっ、ねっ。
ミシガン州のローカルバンドで、まだ売れてなくて、フェンダーが買えなくて、日本製のチープなベースをナケナシのお金で買って、プロとしてキャリアをスタートする。。。
ね。じーん。ってしません?しますでしょ。
ええっ?ボクだけ?
ってか。
一緒にじーんってしてくれたひと。
ゴメンナサイ。
実はこんな写真が出てきちゃって。
これ、マーク尊師の前任者ベーシスト、Herm Jacksonさん。
持ってますねぇ。誇らしげに。おんなじベース。。。。(笑)
ここで、
① ミシガン州ではテスコのベースが大流行していた。
② 前任者が安く譲った。
③ リーダーのテリー・ナイト氏の持ち物で使い回していた。
という3ツの推理が成り立ちます。
なんか、③ な気がする。。。(笑)
だって、青年だったマーク尊師はギタリスト志望だもん。
サテ。 たかがテスコ。されどテスコ。
ほぼジャンク扱いのこのベースで、ここまで妄想に浸れるのは、ボク的にはある種の才能なんだけど、世間的にはやはり病なんでしょか。
意外にも音は良い。(笑)
そしてフェンダー・ジャズマスター風味のやたら薄っぺらいボディは、トテツもなく重い。
はい。ここで、HEAVYなサウンドはHEAVYな機材でなければ。というAtumic Rooster先生の教えを思い出された方。さすがです。
当サイトの常連さんとお見受け致します。(笑)
がっっっ。残念なことに、貴方はボクと同じ症状です。
更に残念なのは、このベースの場合。恐らく永きに渡り、どこかの押し入れの中で、たっぷり湿気を吸い込んだんで、重いみたい。(笑)
いわゆるフェンダー・カスタムショップ的に言うトコロの、クローゼット・クラッシックですな。
ヒトよんで、The TEISCO NB-4 Heavy Closet Classic。
気づいたんですけど、クローゼット・クラッシックって、まるでクローゼットにしまいっぱなしにしてたかのようなグッド・コンディションっていう謳い文句ですが、これってアメリカンな発想ですよね。
日本のクローゼットは湿気だらけなんで、そんな場所に楽器をしまいっぱなしにしたら3日でヒドいコンディションと化すのが、日本のクローゼット。その名も「The 押し入れ」です。
ならばアメリカは違うのか?というと、これが不思議なことに空気が乾燥してるせいか、ほったらかしでもどんどんよくなるんですね。
アメリカで買ったギターが日本(我が家)に来たらどんどん音が悪くなった経験が何度もあります。
ちなみにボクの部屋(通称・GFR博物館)は、デンコちゃんに怒られるくらい、ほぼエアコンかけっぱなしです。
友達のギターを預かっているうちに、どんどんコンディションが良くなると喜ばれるくらい、空調には細心の注意を払ってます。
そこまでしても、来日すると確実にコンディションは落ちるモンです。
なので、クローゼット・クラッシックという考え方って、とってもアメリカンだな。って思うワケです。
あー、こいつ、また逸れてやんの。って思ってる方。
生粋の常連さんですね。(笑)
脱線ついでに、かつてエアコンなど無い時代に、高温多湿の日本でウルトラにコンディションが良くなった経験もありますので、そちらのエピソードも披露しましょう。
これは70年代のストラトキャスターです。

この時代のストラトはアッシュ・ボディで、やたら重い。
こいつもピッカピカの新品で我が家に来た頃は、レスポールの2倍は重いんじゃないか。というくらいの重さでした。(当時は、本物のレスポールを見たことも触ったこともないので、重さを知るヨシもなし。なのでここでは2倍と断言してしいます。)
そんなショルダークラッシャーなストラトが、今では超ウルトラ軽量に化けました。そかしそれは30年以上かかったのではないんです。
ある時期に、イッキに軽くなったのです。
当時、高校生だったボクは、ピカピカの、“本物”のフェンダー(当時はUSAという呼び方はしません。JAPANなど無いので、フェンダーといえば超高級な舶来品というのがあたりまえ。)を手に入れ、毎日毎日、練習もせずに眺めてばかりいました。あ、今でもそうだ。(笑)
とにかく学校から帰ったら、しばし眺める。
なにせヘッドに書かれているのは、憧れ続けた“本物”のフェンダーのロゴマークですから。(笑)
で、自分の部屋の中で、一番かっこよく見える場所にフェンダーの、ストラトを飾って、それはそれは毎日ご満悦でした。(ああ、あの頃にもっと練習してれば。。。)
学校から帰ると目に飛び込んでくるのは、窓から差し込む夕日に照らされた美しいタタズマイの“本物”のストラトキャスター。。。じーん。
その光景は、青い少年だったボクの心に今でも焼き付いています。
今も青いけど。
そ・し・て。何が起こったか。。。
もう一度、先ほどのストラトの現在の姿をようく見てください。
夕日という名の「西陽(ニシビ)」に焼かれ、ヘッドのラッカーは焼けすぎて憧れのフェンダーロゴがよく見えなくなっちゃてるわ、美しく燃えるような3トーン・サンバーストは、ピックガードに触れるくらいまで塗られていた赤色がすっかり退色して、燃え尽き枯れた2トーン・サンバーストになってしまっちゃってるわ。
恐るべし、ニシビ。ですよ。ニシビ。
青すぎた。。。
毎日、少しずつ脱色しつつ焼けていくと、毎日見ているがために、意外と気づかないモンなんです。(滝涙)
そして、あれま。すっかり軽くなっていたという。
「ライトウェイト・アッシュ」という材質と「普通のアッシュ」という材質があって、ヴィンテージは前者。とか、ライトウェイトアッシュなのでお高いですよ。とか、世間ではマコトシヤカに書物に書かれ商売が横行していますが、ボ・ク・は、認めんっ。
サクラはサクラ、イチョウはイチョウ、杉は杉だろう。
湿気が抜けたらライトウェイト・アッシュと呼ばれる軽さに変化したんであって、アッシュはアッシュだろうがっ。
アレ?誰に怒ってんだ?なんの話から逸れたんだっけ?(笑)
そおか、テスコだった。
逸れすぎた。(え?これも病?)
で、このストラトキャスターは、ニシビのおかげで、まるで凄まじく弾きこまれたかのような威圧感のある枯れた風貌となり(実は眺めてばかりだったのにね)、その上すっかり軽くなりまして、やったぜ、カッコ良くなったぜ。などど喜びもつかの間、なんとサウンドまでもが軽くなってしまい、いわゆる枯れた音になってしまったのです。
まあ、それはそれで、いわゆる枯れたストラトの最高に良い音なんですが、ボク、パワフルでHEAVYなサウンドのグランドファンクが好きなモンで。(笑)
で。
ここでもやっぱりウェイトとサウンドのHEAVYさの密接な関係を思い知り、サテ。やっとテスコの話題に帰りましょう。(笑)
テスコの話題を思い出すために、もう一度この写真をみてから。

タイトルは夕陽と押し入れ。
昭和の匂いがしますでしょ。
先に公開しました S.D.カーリーに引き続き、このテスコもショートスケールです。
ボディが重くて、ショートスケールといえば、当サイトとスペシャルリンクしているマウンテン・マニアックの Gibson EB-1 を思い出された当サイトの常連さん方。
すみません。こちらは押し入れの湿気で重いんで、いつものように、無理やり「似てます!」とか、さすがに言えません。(笑)
で。気を取り直して細部をチェックしてみると、やっぱりこーゆービザール系は面白い面白い。
まず、最高なのが、このツマミです。
普通はツマミって放射状に数字が書いてありますでしょ。
ところが、このトーリ。
読み手の目線を配慮した文字列。なんたる気配り。なんたる読みやすさ。一瞬で、今、自分がどんだけの音量を出しているのかが一目瞭然です。
恐らくこの日本流の心遣いに多くのミシガン州のアメリカ人も心が洗われたことでしょう。
ガシカシ。
これがTONEツマミとなると、事態は一変します。
先ほど、「意外にも音は良い」などとサラリと述タマワリましたが、実はやたら音は丸いのです。
まるで、TONEをゼロに絞ったかのごとく、モーモーサウンドなのです。
はい、ここでミシガン州=デトロイト=モータウン・サウンド。なのでモーモータウン・サウンドなどというオヤジギャグで笑って頂こうなどというチンケな考えは御座いませんっ。
なぜなら、もっと笑える発見に出会ったから。
その、モーモーサウンド状態で、果たしてTONEをゼロにしたら、いったいドンダケのスーパーモーモーサウンドになるのか!
恐る恐る、ツマミを回していくと。。。。ワオ!
ありゃ?普通の音だ。(笑)
アースの落とし方、逆ぢゃん。
配線ちがってますよ。テスコさん。
え、これぞテスコ流オリジナル?
なのでツマミを回していくと、どんどんトーンが丸くなります。
たぶんメーカーさん的には、「丸く」を、「太く」と言い換えて読んで欲しいとこだと思うのですが、「丸」のほうがピッタリする音なんで、あえての、「丸」。
ピックアップが良い音なんですね。
これは、真面目に素晴らしい音です。
ん?
語弊があるな。。。いちおう、他も真面目に書いてるつもりなんでした。
フロント・ピックアップの上の、どう見ても昔のトイレの電灯用みたいな2つのスイッチを下に倒すとそれぞれのピックアップの音が出ます。
フロント、リア、フロント+リアのミックスと瞬時にチョイスできて、見た目にも、今、どのピックアップがONなのか一目瞭然という、これまた優れもの。。。のようでありながら、油断すると両方 OFF という、真っ青な状況にも瞬時に陥る。
というドキドキ感をも搭載しています。
うーん。惜しいっ。
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ブリッジはこうなっています。
なんとしても一枚の板で作りたいんだ。という設計者の執念が伝わってきますでしょ。
レオ・フェンダーに負けてなるものか。
オクターブはだいたい合ってればいいんだ。
社長がこれでイイって言ってんだからイイんだ。
みたいな。(笑)
タシカニ。美しいニッケルメッキのカバーで、見えやしないぜ!Yeah~。 |
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で、先ほど、音は良い。
と述タマリましたが、実は。
「このカバーを外した状態ならば。」
という注釈を忘れてました。 |
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この美しいカバー。
内側はこうなっています。
ううっ、キチャナイ。。。
スポンジが朽ちています。(笑)
メル・シャッカー先生愛用のフェンダージャズ・ベースのカバーにも、一時期このようなウレタン(スポンジにあらず)が、ミュート用に付いていましたので、おそらくそれを参考にされたのでしょう。 |
あれ、メル?そういえば、ココ、グランドファンク・マニアックだった!
って、思い出した方。まだまだです。(笑)
シャープペンの芯くらいの極細・極低フレットは、正にフレットレス・ワンダーです。
ヘッドには、ニシビによる色焼け防止用としか思えないアルミのピックガード付きです。
ここで弾く人は居ないからピックガードぢゃないか。なんていうんだろ?
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ジャズマスター風味のボディは、ナント。
こんな所にコンター加工(削ぎ落とし)がされています。 |
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意味がわからん。
よく見ると、ヘッドの先端の裏側にも。。。
裏ですよ、裏。。。うーん。 |
ミシガン州でも、きっといろんな説が飛び交ったことでしょう。
日本人の心。。。サッパリわからん。最高だぜ。と。
どう見てもジャズマスターもどきでありながら、フェンダータイプのヘッドに、あえての、2:2配置の弦巻き。
これはオリジナル・シェイプだ。との主張と執念が、謎のコンター加工からもヒシヒシと伝わってきます。
Gibson社のファイヤーバードに、「似てる」とクレームつけたフェンダー社が、ここまで似てるテスコベースにクレームつけなかったのは、そんな執念のなせる業なのでしょう。きっと。(←実際に訴えられたか知らないんだケド。ファイヤーバード訴訟の話も厳密には・・・とか、面白味に欠けるんで割愛です。ここはグランドファンク・マニアックなので筆者はアバウトなのだ。わっはっは。)
なんだっけ。あ、カバーのスポンジだ。(笑)
全ての演奏はミュートされ、ジャズっぽいと言えば聞こえが良いが、うーん。
これぢゃ、グランドファンクが弾けない。。。
フェンダー社が許しても、ボクがクレームつけたいっ。(爆)
このベースは当時、マーク青年以外にも結構愛用者が多かったようで、たぶん日本一有名なのは、故・いかりや長介さんでしょう。(うぃ~っす)
ビートルズの武道館公演の前座をドリフターズが勤めたときも、このベースだったそうです。
じーん。。。
って、しないか。(笑)
完っ全に逸れたな。
こりゃダメだ。撤収っ!

これがMARK青年の最初のギターと、最初のベース。っていう事になるんでしょうか。
もしもこのサイトをMARK尊師が見てくれたなら、大笑いしてくれるといいな。
ちがうぜ、答えは ③ 。借りたんだぜ。って。(笑)
あ。追伸、追伸。一番上の写真ですが、いつもよりLPジャケットが多いのは、テスコのベースよりも超レアなLPコレクションを見せびらかしたい。という只の自慢です。(笑)
左上の2ndアルバムは国内ではどうしても見つからずアメリカで購入しましたが、その他は全て日本で手に入れました。
それこそ日本中の中古レコード屋を何年も何年も探し回って見つけ出したんです。
あの頃は中古レコード屋巡りが楽しかったなぁ。今はネットで探せるのでアリガタミが違うんだよなぁ。
あれ?こーゆーの、おっさん臭い?
ま。今回のテーマは昭和っちゅうコトで。(笑)
これにて。MARKコレクション、今度こそ全部揃いました!(たぶん)
※資料提供:Kogureさん。
いつもありがとうございます! |