これはハードロック・キーボーディスト厚見玲衣氏所有のヴィンテージ・ラディック・ドラムセットです。
サイズは、
B.D.=24 inch
T.T.=13 inch
F.T.=16 inch
F.T.=18 inch
色はイアンペイスと同じシルバースパークルです。
ご覧のトーリ。信じられないくらい美しいコンディションを保っています。
ラディック社のカラーバリエーション中で、経年変化による変色が最も顕著に現れてしまう繊細なカラーが、このシルバースパークルであることを知る者にとっては、この美しさは驚愕にアタイします。
たいていは、保管状況や気候の影響を受けて黄ばんでしまったり、汚れがシミ付いてしまったりするのです。
と言って、リカバリング(外装の張替え)を行うと、やたらピカピカになってしまい、「こりゃオリジナルカラーじゃないな」って一目ですぐバレちゃうのがシルバースパークルの泣きドコロでして、言い換えれば、シルバースパークルだけは「ひと目で本物のヴィンテージかどうか分かる」ワケです。
つまり。そこんトコが、いいっ。(笑)
しかも。
シルバースパークルだけは、ヴィンテージ市場で、そこそこ綺麗なタムやフロアをバラバラに集めてセットにしようとしても、それぞれ保存状況が異なるために色がピタっと合わないという点も、マニア魂を刺激して、いーんです。
なにが言いたいか。もうお分かりですね。
この厚見氏所有のヴィンテージ・シルバースパークルセットは、バラバラに寄せ集めてセットにした物ではなく、メーカーの工場から「セット」として出荷された物が、姉妹がハグレルことなく、奇跡的な保存状態を経て現在に至っている「ファクトリー・オリジナル」なのです。
しかも美人姉妹。
サテ。自慢はこのくらいにして。(笑)
ここまで読んでくださった皆さんが必ず抱く、最大の疑問。
なんで、キーボーディストの厚見玲衣氏が、ドラムを持ってんのか。
厚見氏は、このヴィンテージ・ラディックを、TIMチョ&宴ROCKS に持ち込むことで、バンドサウンドそのものをアノ時代のハードロック・サウンドにしちゃおうという考えなのです。
なんで、そんなことをするのか。
たいていのトリビュートバンドでは、ギタリストはレコード(CD)で聴いた原曲の音に似せようとしてギターとアンプの間にペダル(エフェクター)をつないだり、アンプのツマミを細かく調整したりします。
同じく、ベーシストやキーボーディストもコダワリをもって音色を作り上げます。
トコロガ。いくらソレラをしたとしても、肝心のバンド全体の音はイマイチ似てくれないのが常なのです。
言うまでもなく、皆さんがハードロックを聴いたときに、一番に印象を与えるのはヴォーカルとドラムだからです。
つまり。
このヴィンテージ・ラディック・ドラムセットは、厚見氏にとっては、バンドサウンドのエフェクターなワケです。
でっかいエフェクターですが、これをカマすと、あの時代のサウンドになるという。(笑)
下の写真は、2011年9月10日、目黒ブルースアレイジャパンで行われた、第一期 TIMチョ&宴ROCKS 最終公演で披露されたツーバス(ダブルベース)セットです。
スーパー・ハードロック・ドラマー、城戸“KID”紘志 氏所有のTAMAドラムセットに、このヴィンテージ・ラディックの24インチ・バスドラムを組み込んだことで完成した、まるでカクタス/BBAのカーマイン・アピスのような巨大なセットから放出されたサウンドは正に圧巻でした。
この日、厚見氏が持ち込んだのは、メインで踏むバスドラ(写真の左側)だけです。
バスドラだけがヴィンテージラディック・サウンドとなったダケで、それまで聴きなれたTIMチョ&宴ROCKS のサウンドが40年前にタイムスリップしたかのようなマジックが起きたのですから、前述の「でっかいエフェクター論」は、ほんとうの話なのです。
つまりこのエフェクターは、“Time” もコントロール出来るワケですね。
(注)Tim ぢゃないよ。Time ね。Tim はコントロール不能(笑)
この日のライヴでの実験を踏まえ、後日行われたリハーサルでは遂にフルセットがスタジオに持ち込まれました。
そして、その数日後。
伝説となる、“ハニービーの奇蹟”が実現します。
果たして、このヴィンテージ・ラディックをフルセットで持ち込んだことで何が起きたのか。は、コチラをご覧ください。
これはハードロック・キーボーディスト厚見玲衣氏“自慢”のヴィンテージ・ラディック・ドラムセットです。
サイズは、
B.D.=24 inch
T.T.=13 inch
F.T.=16 inch
F.T.=18 inch
バンドの音色と時空間を塗り変える、厚見氏所有の巨大なエフェクター。
イアンペイスと、おんなじ色。(笑)
その美しさとサウンドを知りたければ、TIMチョ&宴ROCKSのライヴ会場へ足を運んでください。
生楽器ですので、天候により使用しない場合もありますが、運良くそのサウンドを浴びることができたなら、
貴方もきっと、ハードロック・メイニアックスの仲間入り。(笑)
宴ROCKSの、ライヴ会場でお会いしましょう。
Written by Eiji Farner