TIMチョ&宴ROCKS において、ベースの次に音のデカイのは、コレです。(笑)
Nord Stage EXです。重さは 9.7kg です。
サウンドと重量に関する相対関係に時間軸を当てはめた計算式で説明しますと、こーゆーことです。
約200kg | + | 約70kg | |
+ | 約35kg | + | 約35kg |
+ | 約70kg | + | 約300kg |
=合計重量 約700kg/70年代 × 40年後 ≒ 9.7kg
上に掲載したヴィンテージ・キーボード達と比較すると、Nord Stageの重さはナント 1/70 なのですが、完璧なコンディションを保てていない本物のヴィンテージ・キーボードよりも極上の音がしてしまいます。
ちなみに、完璧なコンディションを保てているヴィンテージ・キーボードって、果たして日本に何台あるのか。(笑)
さらにはそのヴィンテージ・キーボードにマイクを立てて音を拾うとなれば、マイキング技術も問われるのですが、コレはケーブルでPAにつなぐだけでベストなマイキング状態をシミュレートしてしまうという優れものです。
特にオルガンのサウンドと空気感を演出するレスリースピーカーのシミュレートに関しては、これを書いている時点では、恐らく最も優れていると言っても過言ではないでしょう。
ああ。Nord の売上げが上がってしまう。(何も貰ってませんっ)
ティム・ボガートが世界を踏み潰そうとした40年前で言えば、約 700kg の機材を巨大なトラックと大勢のスタッフで運ばなければならなかったのが。肩から背負って電車に乗って運べるという。
さらには、半日以上かけてセッティングして、膨大な量の配線をしなければ得られなかったサウンドが。ステレオケーブル1本で、10秒で完了してしまうという。
なんという凄まじい未来に、我々は立っているのでしょう!
サテ。
ティム・ボガートと言えば、ヴァニラ・ファッジ、カクタス、BBA ですが、「カクタス、BBA にはキーボーディストいないだろ」と思った方がいるかもしれません。
残念っ、甘いっす!
カクタス後期のライヴ盤「汗と熱気」では、全編オルガンとピアノが鳴っていますし、BBAのスタジオ盤もしかりです。
さらには、BBAが結成される直前には、第二期ジェフベック・グループにティム・ボガート先生とカーマイン・アピスが合流した時期があり、キーボーディストもヴォーカリストもいるその音源(名演!)は、マニアの間ではあまりにも有名です。
日本では名盤「BBA LIVE」の印象が強すぎるので、「ティム・ボガートの相方にはキーボーディスがいない」というイメージが抱かれてしまうのは仕方ないことですが、実は。ティム・ボガート・スタイルが誕生したのは、BBAでトリオになってからではないのです。素晴らしいキーボーディストがいたからこそ、あそこまで自由になれた(音楽として崩れずに成り立った)トコから始まっているのです。(断言しちゃってますけど、たぶんそうだと思います。)
で。TIMチョ&宴ROCKS の結成秘話は、コチラ を読んでいただくとして。
鳴瀬喜博氏が、カーマイン・アピス役を探すのよりも先にコンビ指名したのは、ハードロックキーボーディストの厚見玲衣氏でした。
で、その厚見氏の秘密兵器が、この Nord Stage EX なワケです。
このマルエーのロゴは、厚見氏のオフィシャルサイトのロゴです。
初めてTIMチョ&宴ROCKSのメンバーが集まり、
初リハーサルしたのを祝して公開日とした厚見玲衣オフィシャルサイト。
http://atumic-rooster.org/
このマルエーロゴが付いてから、Nord の音がさらに大きくなったのは言うまでもありません。
よく見ると、こんなジョークも。(笑)
極上のコンディションを誇るヴィンテージ・キーボードを所有する厚見氏がチョイスしたとなれば、こりゃキーボードを買うなら、Nord にしとけばマチガイナイ!って思われるでしょうから、ちょっとだけ補足しますと。
「本物のヴィンテージの良い音を知らなければ、Nord だからって良い音出るってワケじゃないよ。」 by 厚見玲衣
うひー。そーなのっ。(爆!)
ああ。Nord の売上げが下がってしまう・・・。
ちなみに。
木目調外観デザイン至上主義ヴィンテージ・キーボードマニアの方から、「赤いキーボードって、どうなの。」というご意見をいただいたことがありますが、そんな時は必ず、こう答えるようにしています。
我々日本人にとって、BBA のイメージカラーといえば、LIVE盤の「赤」でしょ!
なので、色とサウンドの相対関係を方程式で説明しますと、こーゆーことです。
赤いBBA + 黒い厚見玲衣 = Nord Stage EX
赤の説明はしましたが、黒の説明はできませんっ。(爆)
ティム・ボガート伝説の布教活動で日本各地を行脚するTIMチョ&宴ROCKS。訪れたライヴ会場のPAシステムがどんなシチュエーションであろうとも、バンドが“あの時代”の極上ヴィンテージサウンドを常に再現できるのは、この、電車でも運べる赤と黒の Nord Stage という秘密兵器があるからこそと言っても過言ではないのです。音が良くても重かったら、たぶん持って行かないと思うんで。(笑)
この Nord Stage EX を駆使した厚見玲衣氏のサウンドがどんなであるかを知るには、TIMチョ&宴ROCKS のライヴ会場へ足を運んで、ご自身の耳で聴いていただく以外にはありません。
きっと Nord が欲しくなる。(笑)
(何も貰ってません。)
あっ、ご自分だけ、なんかもらってる!(爆!)
Written by Eiji Farner