これはハードロック・キーボーディスト厚見玲衣氏所有のベースアンプ・ヘッドです。60年代末期にSUNN社がジミ・ヘンドリックスやマウンテンに提供した真空管式の、とてもレアな“幻”のアンプです。
外巨大な6550真空管×2本が真っ赤に燃えることにより、凄まじい音圧のディストーション・サウンドを放出します。その凄まじいサウンドをTIMチョ&宴ROCKSに導入すべく、厚見氏がTIMチョ氏に提供したワケです。
SUNN は70年代に一世を風靡したアンプメーカーであり、ティム・ボガート先生が1973年のBBA来日公演で使っていたヘッドアンプもSUNNでした。
来日公演を見に行った青年・鳴瀬喜博氏に圧倒的な印象と衝撃を与えた爆音。
インタビュー(※)によれば、鳴瀬青年の座席はステージに近い前の方の中央寄りであった為に、舞台両サイドのPAスピーカーから出ている音よりもステージ上のベースアンプから直接浴びせられる爆音の方が凄まじかったそうです。
※ インタビューは都内某所(ファミレス)にて定期的に行われている首脳会談、その名も“ティム・ボガート・サミット”にて。
「ほんとうに、凄まじくデカイ音だったんだよ!翌日まで耳が痛かったんだ。」
この時、ティム・ボガート先生が使用されていたのは、70年代にSUNN社から発売されたトランジスタ式ヘッドアンプでした。アンプの構造特性として、トランジスタ式の方が真空管式よりもサウンドが歪まずにクリアなので、オーディオ的なハイファイ高音質が追求された70年代にはSUNN社をはじめ多くのアンプメーカーがアンプの構造を真空管式からトランジスタ式へ変更しました。
つ・ま・り。
同じSUNNでも、古い真空管式の方が歪むワケ。
厚見氏推薦のコチラの方が、より歪むのです。(笑)
歪まない設計のトランジスタ式のSUNNを使って、世界最強のディストーション・ベースを世界に示したティム・ボガート先生は改めて凄いですし、そのティム・ボガート・スタイルを再現するために、もっと歪む真空管式SUNNを持ち出したTIMチョ氏のオトナゲなさもまた凄いのですっ。
最強アンプの提供を受け、音の出口となるスピーカーの選定は決まっていました。
「“ハニービーの奇蹟”を起こした伝説のエレヴォイ・スピーカーキャビネットを、これで鳴らそう、
凄いサウンドになるに違いない!」
そして。
周囲の期待が集まる中、遂に、このSUNN 100S と 伝説キャビネットがリハーサルスタジオに持ち込まれたのでした。
じゃーん。
そしたら。
なななんと!
あまりにも凄まじいその音圧で。
伝説のキャビネットが壊れてしまったのです。(大爆笑!)
おそるべし、SUNN。
さようなら、伝説のキャビネット・・・(笑)
誰もが予想しなかった結末を迎えたのですが・・・ムフ。
常に先を見越しているTIMチョ氏は、伝説のキャビネットと同じキャビネットをもう1台所有されているのです。
おそらく壊れたキャビネットは大船ハニービーで極限まで酷使された後遺症を抱えており、このSUNN 100-S の音圧に耐えられなかったのでしょう。
伝説のキャビネットは御臨終と相成りましたが、もう一台のキャビネットは元気いっぱいです。
そしてここに、SUNN 100-S とエレクトロヴォイス15インチ×2キャビネットという最強コンビが誕生したワケです。
その御披露目となったのは、TIMチョこと鳴瀬喜博氏の62回目の誕生日を祝うバースデイライヴでした。
巨大なキャビネットが、耐えガタイ音圧のディストーションサウンドを、容赦なく。この日、誕生日を祝うために集った善意の観客に向けて浴びせかける鳴瀬喜博氏のティム・ボガートぶり。(笑)
その爆音に耳を覆う隣席の知人に、
「どうです。今日のアンプは厚見玲衣さんの提供した真空管式なので、いつも鳴瀬さんが使っているトランジスタ式よりも暖かく柔らかい歪みでしょう。いつもより耳が痛くならないでしょう。」
などと得意満面に解説したボクだったのですが・・・。翌朝しっかり。
耳が痛かった。(笑)
Written by Eiji Farner
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