ERI’s “NORMA JEAN” Les Paul

Written by Eiji Farner



Grand Funk Railroad が大好きで、最初は世界中の誰も解読出来ていない
彼らの使用楽器の研究を続けていたんですが、だんだんと。。。
“本物の楽器”には時間を取り戻したり想いを遂げさせてくれたりする
神通力というモノがあるんだという事に気付かされました。

グランドファンクという暴走機関車の車窓から見る景色は、ほんとうに
信じられないような奇蹟だらけで、その事実を伝えることで
体験させてもらった感動や感謝をキチンと残しておけるかなと思い、
当サイトの現在の形が出来上がりました。

で。またまた。

今度の主人公はボクと一緒に暴走機関車の旅を続ける
バンドメンバーのエリチャン。

今は日本を代表する最強グランドファンクマニアとして
クレイグフロスト張りにオルガンを擦りまくるエリチャンですが、



彼女は1990年代前期に活躍していた日本のガールズバンド、
Norma Jeanのギタリスト。



その当時にスペシャルオーダーで作ったギターがこれ。



フェラーリレッドにP-90×3という、



デビューアルバムのジャケットにも。

 

ところがこのレスポール、Norma Jean人気絶頂期に
盗まれてしまったギターなのです。

そ・れ・がっ。このトーリ。



盗難から25年、“戦場”で生き別れた娘が突然。

巡り巡って辿り着いた現オーナーのKikukawaさんが、ある日youtubeで
このギターを弾くエリチャンの映像を知る処となり、
以前からシリアルNoを削った痕跡に疑問を抱いていたとの事で、
このギターの出処を確認すべく、わざわざライヴ会場まで
訪ねて来てくださったのです。

で、後日、遂に御対面となり。


再会の瞬間


一緒にデビューして、ものすごい苦労と夢を共有したギターと
元オーナーがこうして最高に素敵な再会を果たせたのです。

これって。
当サイトで頻繁に起こり続ける「信じられないような奇蹟」が
またしても起きてしまったワケです。

親権については現オーナーKikukawaさんと
サテどういう形がBestだろうかと話し合い中なのですが、



会いに行こうとしたら、

「中身が盗まれて25年間空っぽだったケースを持って来てください。」

という涙が出そうな嬉しい申し出があり。

 

で、今現在、とりあえずエリチャンの手元に預かっています。


ね。ナニモカモが素敵でしょ。
25年前に盗んだ奴はサイテーだけど、そいつも含めて
この奇蹟を導くべく関わってくれた全員のおかげで。
このトーリ。



この光景を見ていて、いつも感じていた事なんだけど
再確認したこと。

愛情を注いだ楽器には、楽器の意志がある。

おそらく、グランドファンク・マニアックという、
レスポールにいちばん縁遠いいサイト(笑)で、
やれ59年Jimmy Pageバーストだの、The Who仕様Deluxeだのって登場してて、

 

それを見て、アタシもー!って、
彼女は自から声をあげてくれたんじゃなかろーか。



偽りの無い真心のことを 赤心って云うんだけど、まさに。
彼女の赤い心がKikukawaさんとエリチャンを繋いでくれて、
この奇蹟に導いてくれたように思えてならないのは
ボクだけではないでしょう。

 
大切に保管していたこのギターの証明書。
シリアルNo,82239532

3の文字の上に書体の似た5をレタリングして
犯行をもみ消そうとした姑息な傷跡が痛々しいんだけど、


こんなにも幸せそうな25年後の未来へと辿り着きました!


おかエリ。(≧▽≦)


 
リビングに置かれたエリチャンの宝箱(工具箱とも云う)と。(笑)







もうひとつのサイドストーリー。

ノーマジーン解散後、永らく疎遠だったメンバーが再会したのが、
このエピソードの数週間前のグリコさんバースデーライヴ。




皆がそれぞれ今でも音楽活動しているという情報を交換し合い、
後日一席設けて、さて何か一緒にできたら楽しいね
という話題が盛り上がり。

で、それと並行して
7月のGrand Funk Maniac Presents イベントを
考え始めてた矢先に、このレスポールが登場したワケです。

トナレバ!
メンバーそれぞれの今の音楽活動を一堂に会しての
同窓会をやるベキなんじゃないか

と!

このギターが言っているようにしか思えないワケで。




で。この企画をっ。じゃーん。



これは、ノーマジーン再結成とかじゃなく、
今現在の彼女達の赤裸々ライフワークをね。

で、ボクの中でのイベントタイトルは、


ノーマジーン・ネイキッド


25年後に起きたこの美しい奇蹟の立会人になってください。



25年前にボロボロになるまで使い古したピック



Written by Eiji Farner
2017.05.05








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