Fender

第二章 開かれた扉

VIBRO CHAMPにて遂にFenderアンプの門が開かれました。
まずは「何故、Fender に行き着いたのか!」からご説明しましょう。

 


Mark Farnerのホームページより拝借

記憶に新しい2004年のMARK FARNER 日本公演にて、それまでの巨大なラックシステムを一新してステージに登場したのは、真新しい Fender Twin Reverb のブラックフェイス・リイシューモデルでした。
MARKはARIONコーラスペダルからステレオアウトにして2台のTwin Reverbを鳴らしておりました。

で、「これは買わねば!」と、い・つ・も・の・よ・う・に考えたのですが、2日めの名古屋公演に向かう途中で立ち寄った地元の楽器屋さんでビックリ情報を得たのです。

「東京からMARK FARNERを観に来たのですか。今日のコンサートは、当店の代表が機材の手伝いをしているんです。」
ワオ!なんと地球というタマは小さいのでしょう。

ん?という事は、アンプはもしやレンタル?

さっそくインターネットのMARK FARNER Home Pageにてアメリカでのライヴ写真をチェックしましたところ、思った通りTwin Reverb は使ってませんでした。ステージに置かれていたのは70年代のシルバーフェイス“Super Reverb”でした。(注:日本公演以降のライヴ画像では時々Twin Reverbをご使用されているのが確認できますので、お気に召されてレンタルの時はTwinにされているのかもしれません。少なくとも2004年2月以前の画像は全てSuper Reverbですので、御本人の所有されているは Superと推測されます。)

Super Reverb と言えば、日本では「ふぅーん」ですが、アメリカでは「これがベストだっ!」 と言う方がとても多い、超人気機種です。出力45Wで、ナント言っても「ミドル・コントロール」が付いてる。

TwinやDual-Showmanなどの100Wクラスになるとミドルが付いていますが、45Wタイプでミドルが有るのは、Super と BANDMASTER くらいしかないので、「なるほど。さすが音にコダワるMARK師匠」などと納得しつつ、楽器屋へ買う気満々で試奏しに行ったワケです。

果たしてそのサウンドは、ブッタマゲのオッタマゲだったワケです。

聞いたことのある、正にGFRサウンド。「アレ?この音、VELENOやL-5S時代の音じゃん!」
もう、大興奮して、これは買わねば!と思った次の瞬間、我に返りました。

10インチスピーカー×4発入りのコンボタイプ。

「あれっ?このアンプ、部屋に置くスペースがないんぢゃないか?」 と。。。。とほほ。。。
そして悶々とした時間が流れるワケです。耳と頭からはアノ音が離れないし。

その数日後。

またまた思いがけないトコからビックリ情報がやってきました。
アンプとは関係なく「MARKのインタビューが載っている本を持っている」という方がロサンゼルスに居ると知り、その方とコンタクトを取てみたら、ナント。その方は、L.A.では超有名なアンプクレイジーのJERRYさんで、しかも私の兄の家の近所で、私の兄を知っていたのです。
そうとなれば日本に送るよりも「にーちゃんに取りに来るように言ってよ。久々に会いたいしさ。」って、事になりまして・・・中略・・・で、兄が「弟がGFRクレイジーでWESTアンプ・コレクターなんだよ。」と話したら、その方は、「ああ、WESTの回路は、Fender BANDMASTER を参考にしてるんだな。」と!
インタビュー本も手に入るわ、そんな専門的な知識も聞けるわ、兄は久々に古い知人と再会するわ、なんと世界の狭い事。(こういう作り話のようなミラクルに慣れてきてしまった自分が怖い・・・)

で。そして思いついたのが、コレです。

Fender

45Wだし、ちっちゃいし。これでいーじゃん。と、ハリきって購入したワケです。
もしかしたらWESTの音が出るんぢゃなかろうか。などとあま〜い期待も有っちゃったりして。

がっっっ。

Fenderアンプの事はアメリカ人に訊け!
アメリカに居る兄とその友人から一斉に「No!Bandmasterと Super Reverb の音は、まーったく違うぞ」 と。(←早く言ってよ。)
もちろんWESTの音が出るワケもなく。。。。よく見たら、肝心のミドル・ツマミも無いし。
とりあえず自称アンプ・コレクター(?)の、フェンダーワールド最初の授業料となったアンプが、このバンドマスターです。
ご覧の通り、珍しいアルミフレームがグリルクロスを囲んでいる60年代末期のモデルで、これも有名な話ですが、この時期の回路はちっとも歪みません。
っていうか、物凄く美しいクリーンサウンドです。
GFRのギンギンな感じを求めていたので、ちょっと想定外ではありましたが、これはこれで本当に素晴らしい音です。

と。

ここで終わり。のハズだったんですが!
うっひょっひょ。
いつものように偶然の偶然のそのまた偶然が重なって、思いもよらないトコへ導かれて行くことになったのです。

次なるウワサは行きつけの楽器屋さんから。
そちらの常連さんの某有名ミュージシャンの方が、「グランドファンクは日本公演でフェンダー使ってたのを目撃した。WESTはハリボテだ。」と話されていたと。

その話しを伺ったときは、たぶんフェンダーRhordsピアノの事かな。とか、WESTの電源ランプは光っているしハリボテは有り得ないな。などと思っていたのですが、75年に関しては、確かに背後のスピーカー壁の上の黒いWESTが真空管式ではない事が最近になって判明しましたので、観客から見えているWESTはハモンド用だったワケで、トナルト、どこかにギター用の真空管アンプが隠れていた可能性は考えられるワケです。

ここでハッと。

WEST社に配慮して、黒く塗りつぶされた楽屋のVIBRO CHAMP
そして、メルが使用していたと思われるブルーのWESTもまた、SonnyMaker氏によって外観までモデファイされているので、やはりステージ上のどこかに隠されていました。(メルの背後はスピーカーのみ。これもWEST社への配慮?)
つまり、MARKのギターアンプがステージ上のどこかに隠されている可能性はありえるワケです。

トナレバ。
黒いんぢゃねえの?もしかして。わかんないように。
と、思い立って、古い画像をチェックしていったら、なななななななななぁーんと !!!

本当に見つけちゃいました。黒いフェンダー。


1972年のアメリカでTV放映されたライヴ映像では、黒いグリルクロスに張り替えられたヘッドアンプが2台。
(↑まだFenderのロゴが付いたまま)

そして、たぶん多くの方が目にしたことのある、74年のVELENOを弾きまくる映像にも、心霊写真のように、やっぱりありました。こちらはロゴを外してあります。

74年では、より「わかりにくくするため?」に、タテ置きです。(当時はタテ置きは流行だったようでもあります。他のバンドのステージ写真でもよく見ます。)
しかし Mark師匠は客席のほうを向けずに横向き。

客席からはヘッドの天井面のハンドルしか見えず、ここにアンプが隠れている。って確認できません。
それでも静止画にして、よぉ〜く見ると、2台のアンプの電源ランプは赤く光っています。

で、更によぉ〜く見ると、薄いヘッドアンプは、右チャンネルのツマミが6個。つまり、DUAL SHOWMAN のリバーヴなしです。

分厚いヘッドアンプは左チャンネルがツマミ3個で、右チャンネルがツマミ7個。これは、BANDMASTER REVERB (リバーヴ付き)です。

どっちもシルバーフェイスなのに、ブラック・グリルが張られています。

そしてこの2機種には両方とも、コダワリのミドルが付いているワケです!(←ここで前述のミドルです!)

VELENOのビデオでは明らかにリバーヴが効いていて、WESTのリバーヴ付きを使っているのかなぁ?と思っていたのですが、やっとコレで謎が解けたワケです。(ちなみに全部、私の私的見解です!)

という事は。あのバッキングのクランチサウンドもソロも、恐らく BANDMASTER REVERB (45Wをフルテン?)で、Closer To Home や Railroad などのクリーンサウンドは85WのDUAL SHOWMANを半分くらいの音量で歪まないようにして使い分けていたにチガイないっ。

と、推測しています。

なぜならスピーカー壁にはマイクは1本しか立っていないんですね。
つまり壁の中で鳴っているスピーカーボックスは、右上の一台ダケなので、両方のヘッドを鳴らしているんじゃなくて、何らかの方法で切り替えているんぢゃなかろうか。と。(真偽は???です)

1972年のTV番組では、黒いフェンダー2台の上にWESTが鎮座しており、ヘッドアンプの3段積みです。
これも推測ですが、何箇所かで飛び出すギンギンのディストーションサウンドのギターソロ(よく見るとフットスイッチをカチッて踏んでます)は、このWESTのラインアウトを使ってるのかな?と。

これも先日、WESTのFILLMOREが手に入って、エクストラスピーカージャックかいな。と思っていたジャックがLINE OUTだったとやっと判明したので唱えられる仮説なワケです。もう情報パズルです。

1974年のLIVE映像には、このギンギン・サウンドは出てきません。
ステージ上から消えたのはフェンダーの上に鎮座していたWEST。
つまりギンギン・サウンドは、WESTだった?。

1972年といえばテリーナイト裁判で機材が没収され、新たにWEST社から提供されたアンプを軸にバンド活動を立て直していたという背景があります。この次期にメルのアンプは薄べったいトランジスタ式になり、同じくこの次期から導入されたMARKの背後のスピーカー壁の上に鎮座する黒いWESTもトランジスタ式(ハモンド用?)と判明しました。

果たして、もしや、このフェンダーの上に鎮座していたWESTは、トランジスタ式のディストーション用とは考えられないだろうか。と。なぜなら飛び出すギンギンサウンドは、ペダルエフェクターのディストーションのソレとそっくりな歪み具合だからです。つ・ま・り・「アメリカンバンド」のアノ音の事です。

全部、私の妄想ですよ。


Fenderに戻りましょう。

私が間違って買った BANDMASTER。
アナガチ全部間違っていたワケでもなさそうで、WEST回路の話しとか、ナントMARKはリバーヴ付きのバンドマスターを使っていたとか、イイ線行っていたワケです。
で。ハタと思いつきました。
見た目は DUAL SHOWMAN のリバーヴ無しにそっくり(ミドルが無いけど)だし、クリーンサウンドは想定外に素晴らしいし。これをベースに DUAL SHOEMAN MOD にしちゃえばいーんぢゃないの。しかもどうせなら GRAND FUNK 仕様に。

つまり、シルバーフェイスなのにブラック・グリルクロスにして、MARKと同じようにコーナー金具を天井面の4箇所(普通のフェンダーは底面側だけ)にも取り付けて、で、立てて使おう。と。

で、次にリバーヴ付きのバンドマスターを購入して隣に立てる。と。(またお金がかかる〜)
ん?どうやって切り替えればいーんだろ???? まぁ、行けば解るか。

迷わず行けばOKでしょう。
次に○○買います!って、宣言したことないんですが、次はどうしてもバンドマスターリバーヴです。

と。 ここで、今度こそ終わり。

のハズだったんですが!


恐るべしフェンダーアンプ。

更に驚くべき写真が発見されるワケです。

白いSGを弾きまくるMARKのステージ写真(これだけでも涙モノ)の背後に、黒塗りされていないシルバーのフェンダーアンプのヘッドが写っている!
よーく見ると、左右共ツマミが3個。これはフェンダーの誇る最高傑作、ベースマンぢゃあーりませんかっ!

「71年からフェンダーだったんかい!」とコーフンしている私に更なる情報が。

「シェアスタジアムの映像にもフェンダーアンプが写ってるよ!」 あわてて資料をひっくり返したら、出てきました。ほんとうに置いてあります。MARKが弾いているのはナント、メッセンジャーです!

アレ?シェアスタジアムは、後楽園の数日前だよ!

そういえば、ガッツの表紙以外に、後楽園でMARKのアンプが写っている写真は無いぞ。MARK側からMELのアンプが背景になる位置にしかカメラマンは配置されていないぞ。テリーナイトが隠したのか!?などと、明らかに考えすぎな私は、今日も悶々と考え続けるワケです。

そうか。シルバーフェイス(アルミ・フレーム)のベースマンも必要なのか。。。。(参ったな。)

きっと楽屋のヴァイブロチャンプがあんまりにも良いんで。。。。とか。

こうなると、ウワサはウワサとして聞き流して、最初にスーパーリバーヴ一台買って、そのまま満足しちゃってたほうが、部屋は狭くならなかったのかな。などと。悶々々々々々々。

このフェンダー情報の嵐は、ほんとうにこの数週間(数日間)に思いもよらないような場所から怒涛のように押し寄せて、「あー!わかったぁ!」「えーっ、まだあるの!」って、イッキに私の妄想ヘキに火をつけたのであって、当の GFR はフェンダーに関して全くアナウンスしていませんので、あしからず。

全〜部、私のタワゴトかもしれないです。
(こんなに書いといてナンて奴でしょう。ホントすみません。) 

オアトがよろしいようで。。。。。「 続く 」 。。。。バンドマスターリバーヴへ。。。。。の予定。。。。。あっ!エコープレックスも写ってる!

いやはや参った。。。。ヤッパ道は険しい。。。。

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