1971〜1976 Effector

- MXR Phase 100 -

そして、あの We're An American Band 以降、Shinin' On までMXR Phase 100 が、ほぼ全編、かけっぱなしになるワケです。
かけっぱなしなので、当時のLIVE映像でも足元には置いてありません。
足元には例のシンプルな 2-Pedals のみ。
MARK の記憶では、「確かに Phase100 を使っていたが自分のはProtoTypeで青くて、もっとでかいBOXだった」との事。
トッドラングレンとのコラボレート以降、他にもレコーディングではいろいろ使っていたものと、そのサウンドから判断できます。
で、検証の為、上のMXRの怪しき機材達を集めてみました。
赤い Micro-Frets につなぐと、ある程度まで答えが絞り込めるのですが、憶測の範疇です。Phase100 が青かったなんて、判るワケないよっ。
で、名作「Born To Die」を大音量で聞き直してみたところMARKのギターにかかっているフェイズシフターの音が、MXRではないっ。


Thanks Mr.Tera da of
"
Guitars Market"

で、

検証してみましたところ、この音は、あの超有名なフェイズ界の名機中の名機、
MU-TRONのBI-PHASEではないでしょうか?
'82年のLIVES、What's Funk 期に、インタビューで「レコーディングにはMU-TRONのPhaseを使った」と語りながら、実際にその時期のアルバムではDC-30のコーラスのみ使用しており、フェイズを使った形跡がなかったので、不思議に思っていたのですが、その御発言の答えが、2作前の、このアルバムにありました。
と、なると!
先の「MXR Phase100 を使っていたけど、青くてデカイ箱だった。」と語られたMARKの御発言は、もしかして。。。MU-TRONのBi-Phase とオクターバーとMXR の Phase-100 の記憶が混ざっちゃってるのかな???
Bi-Phase ってーのは2チャンネル(2台)のフェイズを組み合わせられるらしいんだけど、片方のチャンネルを独立させたモノラル仕様(普通の) Mutron Phaser 2っていうのも存在します。
もう一度検証してみる必要が出てきました。
うーん。深い。。。
このアルバムからの大ヒット曲、SALLY のイントロを聴きながら、また夜がふけていく。

- Phase の迷宮 -

そしてMU-TRONPHASOR 2を入手して、いじりまわしているうちにいくつかの答えが見つかりました。

1.

間違いなく、Born To Die で聴ける“あの音”がする。

2.

名曲『Sally』 のみ、浅い効果に調整していて、インスト曲『Genevieve』では深い効果に調整していて、その他の曲では中間くらいの効果に調整している。それらの音は3種3様なのに、全て一台のMu-Tronで作り出せる。

3.

コーラス効果のようなダブリング的な音圧が得られる。

 

これまで、てっきりコーラスを使っていると思っていたのは、3.の効果のためでした。『 Sally 』 がコーラスだと思っている方は私以外にもたくさん居りましたが、これはMU-TRONです。
そして、迷宮の門は開かれました。

MXR Phase 100 は、どうなったんだ?
間違いなく、『 We're An American Band 』 のイントロで聴ける音は MXR です。(ご本人もPhase100を使っていた。と申されておりましたし。)
では、いつ、Mu-Tron に換えたのか?
Shinin' On も MXR の音ですし、そのツアーを収録した有名なビデオ映像で、VELENOのに“かけられている”のもMXRの音です。そして、それが大きな誤認を生んだのです。

『 Tour '75、Caught in the act 』 も MXR Phase 100 だと。つい昨日まで思い込んでいました。
よーく聴いてください。ダブリング的な音圧のある音がしています。
ビデオはVELENOなので音が細い。
Caught in the act はL-5Sなので音が太い。
と、思っていたのですが、同じギターで比較してみるとMU-TRON の方が音圧が上がるのです。
MXR はむしろ細い。そう。ビデオの音のように。

Caught〜収録の名曲『 Railrord 』の音だけ、Phase100らしからねウネリが聴こえるので、この曲だけセッティングを切り替えてるんだ。と。思い込んでいました。が。Mu-Tronだと、セッティングを変えずに、全曲、あの音が得られちゃうのです!!
『 Rock'n Roll Soul 』のギターソロの最後の3弦プリングオフの後ろでウニョウニョしているアレも。


Sohn の MU-TRON BI-PHASE


Eiji の MU-TRON PHASOR 2


実は偶然、前述の『 Sally 』用のセッティングが、そのまま Caught in the act のセッティングだったのです。そして気付く事ができた。

そういえば、Caught in the act のツアー直後のレコーディングが Born To Die だったワケで、時期的にも、そう考えるべき。だったのでした。

'74年のビデオの音を求めるなら、MXR Phase 100
Caught in the act の音を求めるなら、MU-TRON BI-PHASE。 という事になります。

ちなみに Bi-Phase は超高価なので、私のはシングル版、Phasor 2 というモデルです。ほぼ、同じ音です。

Bi-Phase はナント、当サイトの大将、Sohn氏が購入しちゃいましたので、本物のBi-Phaseサウンドも近日体験できそうです。

Caught in the act を初めて聴いてから20年以上かかって、やっと解明されました。
迷宮はまだまだ続きます。
資料の無いバンド。それがGRAND FUNK RAILROAD なのです。

楽しい〜。


- MAESTRO ECHOPLEX EP-3 -

これはジミーペイジやエディヴァンヘイレンがラインブースターとして使用している事でも超有名なテープエコーです。


縦置きにしたFender アンプの上に鎮座してます。

た・ぶ・ん。横から見た写真しかないのですが、これがMARK師匠と同じなんぢゃなかろうか。と選んだのが、このソリッドステート式のEP-3です。
教わった話しでは、ソリッドステートのほうが音色が良い。との事で。(真空管式のほうが古いので高いのですが。)

さてインプレションです。

まずはデカイ。イメージよりでかい。
ON-OFFスイッチが無いので(PSE認可取れっこないな。。。)
電源コードをいれたとたんに、ぶうぃ〜ん ってモーターだか放熱ファンだかが“高らかに”唸りだします。

そのうち、きゅるきゅるきゅるきゅる〜 ってしゃべりだして、
で、ワタ菓子みたいにテープがこんがらがって、ひゅるひゅるひゅるぅ〜。

って止まっちゃいました。

PSEマークが無いもんで。

で、20メートルくらいあるテープを全部ひっぱりだして、2時間かけて巻き取り直して、そしたら、どっかでネジレたしくて、挫折しました。(笑)

そういえば、「テープは替えたほうがいいよ。」って売り手が言ってたな。。。

とりあえず、プリアンプとしてFender Bandmaster Reverb につないでみたら、ホントに音はよくなります。
パンチが出る!、元気な音になるんですね。


- MAESTRO ECHOPLEX Tape Cartridge -

Echoplexって、30年も前に生産中止してますが、今でも「交換用テープ・カートリッジ」が販売されています。
それを何とか探し出し入手しました。
左の写真は、エコープレックス純正の交換用テープです。
機械本体は30年以上前に生産中止になっていますが、今でも交換用テープが入手できるというのには驚きです。(と言っても日本では見つかりませんでしたが。)

ご覧の通り、ちゃんとオリジナルの箱、オリジナルの説明文が付属していました。

Shinin'On のイントロの

JyaJyaJyaJyaJyaJya にはこれが必需品です。

 


エコープレクスのテープを交換しましたので、早速 Shinin'On を弾いてみたところ、これにはビックリしました。
あの、イントロが完全に再現できます。あたりまえ。っちゃぁあたりまえ。なんですが。
ドコがビックリかというと、

テテシャシャシャシャシャー って、なるんです。

3番目の音が一番大きく山ナリになって、最後のほうはシャシャシャって、“発信”音に変化するのです。

私は今まではデジタルディレイで代用してきたのですが、最近のデジタルディレイでは音が消える最後までキレイにリピートしてしまって、あのカンジにならないのです。
で。試行錯誤したあげく今使っているのはコンパクトエフェクター BOSS DD-2 です。
はい。知る人ぞ知る、これはその昔、“革命”を起した有名なペダルなのですが、最初期モデルですので、リピートの後半が良い具合にコモってくれるんです。
アナログだと2番目の音からコモってしまうし、最新デジタルではハイファイでやらしい。(BOSNIA の Shinin'On は、その、やらしいハイファイですね。)
好みの問題ですので、どちらが良いという事ではないのですが、Caught in the act バージョンを聴き慣れているので、できるだけあのカンジにしたいワケです。
ちなみにRolandのスペースエコー( RE-201だっけ?コレも銘器!)も持っていて、やっぱりそれが一番似てて良いのですが、最後のほうのシャシャシャシャって発信するカンジにはならないし、山ナリにもならないので、お手軽なDD-2を愛用しておりました。
そ・れ・が、このエコープレックスたるや、もう完全に“酔いしれる”あのカンジになるのです。
スペースエコーのほうが、何かと使いやすいんですが、サウンドはこちらが断然“好み”です。

そういえば、ブースター的に使う。っていうハナシですが、これをつなぐと全部の音域が太くなります。フルレンジ・ブースターですね。そんなにゲインが上がる訳ではないのですが、太いのにヌケる音になるというか、前に出る音になります。
天井面のディレイタイムを変えるレバーを左右に動かすと、(コレつまりテープヘッドを手動で動かすんです!)、有名な映画の中のワンシーン、ジミーペイジごっこができます。なんだテルミンなくてもウニョウニョなるんじゃん。あのカラテチョップに幻惑されてたのか!みたいな。
さんざんウニョウニョやって、ハッっと我に返ってShinin'Onのタイム位置にレバーを微調整してる姿は間抜けです。

が、しかしっ!

このウニョウニョは、スタジオ版のロコモーションのギターソロでもやっているし、やっぱやめられまへんわぁ。
テナワケで、ヴィンテージ・テープエコーの魅力たっぷり「テープエコー・マニアック」を作ってみました。
入り口は下のバーをクリックしてください。一家に一台欲しくなりますよっ(笑)

 

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