Donguri's Ludwig 1980's Drum Set

1981年。

GFRは「Grand Funk Lives!」(←リヴスと読みます)という
強烈なハードロックの名盤をひっさげ突如復活しました。

ベーシストがデニス・べリンガー氏に代わっていたことも衝撃でしたが、翌年の来日公演で披露されたステージ風景もまた、往年のGFR機材オタク(って当時居たのかな?)にとってはおそらく衝撃だったと思います。

バンドはそれまでの使用機材を全て一新していたからです。

マーク尊師は、超メジャーなフェンダー社製ストラトキャスターを抱え、デニス氏は見たことないベースを抱え、(←S.D.カーリー)、オルガンはハモンドB-3KORGのBX-3となり、アンプは当時はまだ誰も知らない“幻のWEST”から、誰もが知ってる Peavy の新製品になり、ナニモカモが一新された紛れも無く新しい時代の新しいスタイルのGFRが登場したのでした。

注)カクイウ私も、この'82年の武道館で初GFRを体験するワケですが、当時は現代のように機材に関する情報はほとんど無く、しかもGFRの武道館公演を密着取材した雑誌は皆無だったので、ここに書く内容はその後の28年間での研究・検証を元に書いています。

時代が“本物”のハードロックに全く関心が無かったワケです。(笑) チクショー!

で。そんなお色直しの済んだGFRの中で、唯一。変わらない光景(オオゲサだな)とも言えたのは、ドン・ブリュワー大先生のドラムセットが、変わらずに“Ludwig”であった事です。当時のロックドラマーがナニカトお徳なエンドースメント契約を求めて、こぞって日本製のドラムメーカーに乗り換える中、カタクナにUSA製ラディックにこだわった、“The American Band” ドン大先生。
残念ながら、'70年代に御愛用されトレードマークとなったレッドスパークルがこの時代には無かった(のかな?)らしく、色こそ違えど、ラディックはラディック。

おっと。バレました。

 

実は。。。色がですね。。。覚えてないんですよ。コーフンしすぎてたらしく。(爆)

で、そんなウカツな自分以上に非難されるべきは日本のマスコミです。

なんと、ただの一枚も、カラー写真が無い!!!!

(厳密には唯一、「音楽選科」に掲載された巻頭カラー写真に、メンバーの顔のアップと、ストラトの一部と、黒っぽいタムと、見たことないベースがチラリと写っているだけ)

近年になって、ネット上に白黒写真は発掘され、私も武道館を取材された方から白黒写真を譲ってもらったりして、(残念ながらアリーナ最後尾からのステージ写真 or バストショット(顔アップ)の両極端のみで機材オタク的検証には役立てず。でも物凄い貴重な写真!)、更に驚くべきことに海外でも、この時代のステージ写真は未だに皆無なのです。(2010年夏現在)

たぶん黒っぽいのですが、確証なし。

で。GFR視線ではなく、Ludwig視線で検証すると、この時代は1983年にLudwigの工場が引越しする直前の、いわゆるヴィンテージラディックと呼ばれる“最終型”であり、当時はドラムの深胴化(太鼓の筒部分が長い方が音がボウーンって良く鳴る、音がでかいと信じられ、どんどん缶ビールみたいなデザインになっていく)が主流でした。

筆者はドラマーではないので、今でも詳しい事はさっぱり分かっちゃいないのですが、当時は根性とテクとチューニング技術とパワーでデカイ音を出すという考えより、深胴さえ使えばジョンボーナムやドンブリュワーになれる!とかって、多くの日本人が信じてたように感じていました。←素人イメージ(しかも当時はガキ)につきノークレームにて(笑)

言っておくがな。標準胴(←浅胴と呼んだ時点で間違い) じゃなきゃ、ボンゾにもドンにもなれんぞ。
って、またもや。どんどん逸れているな。(笑)
つまり、この時代のドン大先生のサウンドを追及するには、この時代の深胴ラディックを検証せねば、真実はわからぬのです。
で。これです。

これは正にその時代の、メイプル木目が美しい“深胴”のドラムセットです。
当サイトのGFR布教活動(トリビュートバンドともいう)のサポートメンバーでもあるDonguri 氏が、謎に包まれた80年代GFRの検証の為ダケにGETしたという。(←ウソ。叩くためにGET)

正に武道館公演でドン大先生が御愛用された時代の、ドラムセットです。

サイズは、'24バスドラ、'14タム、'16 と '18のフロアタムです。
ムラなく均一に焼けた表面ラッカーの美しい風合いを見れば、このセットが寄せ集められたものではなく、いわゆるセット売りされたオリジナル組み合わせであり、又、前オーナーがいかに大切にメンテナンスされていたかを伺い知ることが出来ます。
そしてそのサウンドは、深胴独特の、素晴らしい余韻と倍音、重いLOWレンジを含んだへヴィサウンドであり、まるで「今日からオレもドンだ!」って思わせるに十分な、凄まじいハードロックサウンドそのもの。(あっさり、前言撤回。ドンに近づけます。)
まさに衝撃!深胴のナンタルカをこの歳になって知りました。

ロックドラムサウンドは、ラディックにより洗練され、そして進化し、ここに辿り着いたのかっ!っていう説得力が、この深胴ドラムセットから放たれるBIGなサウンドには、みなぎっています。
1981年。突如復活したGFRは、懐古主義などではなく、新たな時代のハードロックを見据えていたんだという事が、このドラムセットに触れて確信となりました。
時代とはマッチしなかったけれど。。。(笑)

Keep it, Shinin' On !!

やっぱり、Ludwig のヴィンテージドラムには、ハードロック・ファンの魂を揺さぶる「何か」が確かにあります。

最後に。
当時のロッキンFという雑誌の5センチ四方の小さな扱いのインタビュー記事(白黒)でのドン大先生のコメントを紹介しましょう。

「オレの使用ドラムはラディック! 日本のドラムメーカーとエンドースも求めているけど。」

って、えーっ!そんなぁ〜。(爆)

≪後書≫

更に。この美しいドラムセットを今日まで大切にメンテナンスしてくれた、

Ludwig Manaic Takahashi さんの驚愕ぶりは、コチラ。

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