いつの日か。もしもまたメッセンジャーに出会えたら、大好きなマーク・ファーナーと これが です。 これは厳密には 「 嵐の後楽園仕様 」 となります。 なので、悩みに悩んだ結果、このギターの仕様は決定致しました。 後楽園の写真は残念ながら、ほぼ全てのカメラマンさんが望遠で撮っているので、荒い画質のものが多いのですが、ハワイ大学はステージ袖や最前列かぶりつきの鮮明な写真が多いので今回の「大改造計画」も、それらの写真なしには完遂できなかったでしょう。 ここで、先ず謝辞です。 Hello, Mr. Randy!
ヘッド
ヘッド角度が浅く、薄すぎるヘッド厚に対してグローバーのペグポストが長い為、もともと1弦と6弦のペグ本体の下にはスペーサー(座布団)が敷いてあります。今回はガンバって座布団も製作しまして、その上にグローバーを取り付けています。 それでもまだペグポストが高いので、このストリングガイドが無いと、1弦はナットの上空を通過してしまいます。 標準装備のオールドグローバーはペグポストが短いのでストリングガイドが不要なんですね。なのでMUSICRAFT社としては、このオールドグローバー=ミニタイプ でなければならなかったのでしょう。 で、そうとは知らずに「最近チューニングが甘くなってきたんで交換すっか。」と、新しいグローバーを買ってきたら、弦がナット上空を通過して、恐らくショックをお受けになられた。と。 で、たぶん。 その後、更なるショックに見舞われたのではないか。と容易に想像できるのです。 この推測。私の1本目の体験です。既にsohn氏の2本を含め、この改造を行うのは4度目ですが、毎回 「ちっきしょー!」 と成ります。ので、たぶん。御本人もそうだったハズですよ。 塗 装 もしもMARK師匠がGibsonやFenderを御使用になっていたならば、今頃、リアルレプリカ・モデルがこれらの大メーカーCustom Shopで製作されていても不思議ではありません。なによりもこの日本で、ショップオリジナルのような形でレプリカモデルが真っ先に発売されているでしょう。 でも、そんな夢を本気で考えてまして、できるだけ詳しく。 そして作業開始です。ベース(犠牲?昇華?)となるのは、赤茶色です。
先ずはマスキング。の前に、MARKがその強烈なストロークで塗装を削り取ったヒジ部分から見える「下地のサンバースト」を再現しておきます。全部やるのは手間なんでヒジ部分だけです。
で。マスキング。 ボディ周囲のバインディングもマスキングしていますが、これも誤り。これも塗りつぶすのが正解です。デビュー当時に出演されたPLAYBOYというTV番組ではバインディングが塗りつぶされた「塗りたて」のメッセンジャーがドアップで拝めます。後のライヴ写真はボロボロのバインディングが白く見えますので、ハゲちゃったのか、そのほうがカッコイイと思われてガリガリ剥がされたのか。私は後者だと思っています。全周、一応まんべんなく剥げていますので。で、私のマスキングはボロボロに貼り付けてあります。後で剥ぐ手間を省略しようと。不精者なので。。。正しい手順は塗りつぶしてから剥ぐ。です。 さて、そんな不精者&マヌケな私が、ここだけは緻密に、正確に、完璧に、作業したのが、先に述べたヒジ部分のハゲ。と、FUZZスイッチ周辺のハゲ。です。 塗装後に剥ぐのはあまりにも困難ですので、このようにあらかじめマスキングしました。 「MARKのメッセンジャーのハゲはこうだ。」って言える出来です。
どうして全部黒を塗るか。というと、緑色のペンキが薄い部分が何箇所かありまして、薄く塗られている所は“暗い”んですね。影のように。で。下地は黒です。(オリジナル・サンバーストの黒部分が透けているのかな?とも考えましたが、全体的に影があるので、全体的に塗らなければそうならないんです。) で。 いよいよ緑色に塗装です。 塗りたての緑色。のちに日本で暴風雨にさらされて、変色するのでしょう。 キミドリ色とのサンバースト加減が、素人の私には難しかった!!(←もう、この辺で楽観的な気分は吹っ飛んでます。やっべえ。みたいな。。。) ご覧ください。 この辺が私の限界。。。。 乾くのを待って、マスキングを剥がし、ブリッジを載せてみました。
〈 ボディサイドの表面化粧板がカケて剥がれたイメージ 〉 ピックガード製作ひと息ついて、塗装が乾くまで文字通り息抜きとなる別工程です。前オーナーによって、強烈に弾き込まれたこのメッセンジャー。ピックガード表面は強烈に削り取られております。 MARK師匠のピックガードは、ここまでボロくないので、キレイなピックガードを自作で作る事にしました。 ところがメッセンジャーで使われている「5プライ」の板材料を見つけるのには困難を極めました。結局、GibsonES-335用のピックガードを入手しまして、そこからギリギリのサイズで削り出したのですが、息抜きどころかヤスリ片手にエライ手間でした。上がオリジナル。下が自作レプリカです。(ネジ穴がまだ開いてません) ちなみにオリジナルのメッセンッジャーでは、ピックガードの下に直径10ミリのゴム足が3個接着されており、ボディトップからピックガードが約8ミリ浮いた状態にセットされています。 MARK師匠はGibsonピックアップを取り付けた際に、このゴム足をハギ取って、ボディから浮かせずにピックガードをネジ止めしています。ボディがアーチドトップですのでピックガードの下端は浮いて見えますがマチガイなくゴム足はハギ取ってます。なぜならば、Gibsonピックアップを取り付けるためにピックガードのリア部分をノコギリで削らなければならず、その作業でゴム足が一個犠牲になるんですね。 で、当初私はゴム足の位置を引越しさせりしたたのですが、よく見ると浮いてない。「全部取っちまえ。」が、正解です。MARK師匠のピックの握り方はグーですので、小指をピックガードに置かないんですね。なのでピックガードが浮いている必要が無いんで「この際、低い方がいいじゃん。」と、お考えになられたのではないでしょうか。「ナシ」という選択肢もあったでしょうが、Gibsonピックアップ形状に合せてピックガードを苦労して切断したワケで、トナルト意地でも付けたいでしょうし。四角い穴も隠れるし、なにより有った方がカッコイイし。 血 管塗装が乾いたトコで、次に重要な“血管”を描かなければなりません。 この“血管”の正しい位置の確認作業が今回の一番難解な部分でした。 MARKがフリーハンドで描いたものです。 しかもご存知の通りテープがベタベタと貼り付けられていて、果たしてテープの下はどうなっているのか。。。。 ここで私の「切り抜きコレクション」の出番です。あらゆる写真と画像を結集し総力をあげて検証して導き出した答え。 それがここに描き上げたの“血管”です。 塗料のにじみ具合とか再現できない部分はあるのですが、 MARKのメッセンジャーの“血管”は、「こうなっています。」 これで世界中のGFRファンの方が、手持ちのメッセンジャーをMARK仕様に塗る事が容易に出来るようになったワケです。 (自負してます。アホです。)
ピックアップ組み込み いよいよパーツ組み込みです。問題はGibsonのピックアップ搭載です。 実は手持ちのGibsonピックアップの中に80年代の“耳”が真横に出たタイプ(裏面が基盤のヤツ)が有りまして、「おー。これなら穴開けずにネジでトップに付けられて、もっとコンビニエントじゃん。」と、実は当初、ソレを付けて配線も済ませたのですが、なんかカバーのタタズマイがイマイチ違うんですね。 で、カバーだけ取り替えようと外してたら、80年代ってカバー内に両面テープが貼ってあって外れてくれないんですね。 ナント、コンビニエントな出来事でしょう。(後で考えてみたら、ParkerFly の耳なしディマジオも、コレと同じ取り付け方法でした。)耳を四角い穴に沈めたまではよかったのですが、いったいドコにネジ止めしてるんだろう?もしやボディバックの板まで届く、ながいネジで貫通させてるのかな?などと考えつつ、ま、とりあえず付けてみりゃ、なんか方法が見えてくるだろうな(←こういうトコロは行き当たりばったりで着手しちゃう性格)とやってみたのですが、たぶんコノ取り付け方法がビンゴです。 たぶんMARK師匠も行き当たりばったりで四角い穴明けしちゃって・・・結果オーライ。だったのではなかろうか。と、ひとりほくそえんでいるワケです。ヤッパおんなじにヤラないと味わえない醍醐味があります。 テープ貼り最後の仕上げ。マスキングテープ貼りです。主に参考とした写真はコレ。 これらをルーペで見ながら、同じ位置に、同じ形状のチギりクチで、同じようにシワを真似て、徹底的にコダわって貼り付けていきます。 もう時間と根気のみ。 マスキングテープは日本で手に入る市販品の横幅だと、これと同じになりませんよ。
これで世界中のGFRファンの方が、手持ちのメッセンジャーをMARK仕様にする事が容易に出来るようになったワケです。 (自負してます。期待してます。ほんとアホです。)ガムテープ貼り
こんなにも苦労して“血管”と“テープ”を再現しておきながら。ナント後楽園ではべったりと銀色のガムテープを貼ってしまっています。
現在ではPAEVEYのティアドロップ型べっ甲色ミディアムピックをご愛用されていますが、当時からご愛用ピックの仕様も色も一貫されていたんだなぁ。 ついでにカールコードネタですが、MARK氏は80年代末にソロ復活された時期にも白いカールコードを愛用されています。今ではVOX社をはじめ各社からいろいろ色のカールコードが発売されていますが、この時期はほとんど売られておらず入手困難だったの事が思い出されます。 かく言う私も今ではすっかりカールコード派なのですが、ナニがそこまでカールコードがいいのか。ご存知の方もいらっしゃるでしょうが「動き回ってて誤ってコードを踏んでもジャックから抜ける心配がない」んですね。 またまた完全にガムテープから話題が逸脱しました。 で。元に戻って。銀ガムテープを貼っていて気付いたのですが、MARK師匠のメッセンジャーの場合、カールコードのプラグを差し込んであるアウトプット・ジャックの位置はFUZZスイッチの近くなんです。私のジャックはノブの近くです。 メッセンジャーのFUZZについては、MARK師匠御自身も「FUZZは後から自分で付けたんだったけな?」と語られり、「メーカーに頼んだんだっけな?」と語られたり、記憶があやふやなご様子なのですが、本編の最後にFUZZについての新事実を記述致しましたので、全てを総合判断すると、「ステレオジャックをつぶして、MUSICRAFT社のなんらかのサポートを得てFUZZを後付けした。で、スイッチは流用した。」っていうのが、銀ガムテープが教えてくれた答え。のような気がしています。(ムリヤリ話題を戻したカンジですね。。。) 完 成 ん?おぉ!出来てる。コレで完成です。
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MARK's メッセンジャーの生涯。ハワイ公演で一旦終了したツアーの後、数ヵ月後に「戦争をやめよう」ツアーが始まるのですが、そこでも当初メッセンジャーを使用されていたようです。このツアーからMARK師匠はクチヒゲをタクワエられるのですが、クチヒゲでメッセンジャーを弾く写真が発掘されています。明らかに後楽園〜ハワイ大学以降の写真です。(まもなく白いSGに持ち替えられるのですが。) 1971年末頃に短い現役生活(たったの2年)を終えたメッセンジャーですが、その後はMARK師匠の手により、更なる大改造が行われております。引退してもなお御愛着があられたのでしょう。 変わり果てたお姿となったメッセンジャーは後にミシガンの博物館「地元の自慢品コーナー」に寄付された後、現在はオハイオ州クリーヴランドにあるロックンロール・ホール・オブ・フェイムに展示されているとの事です。 私は現在のメッセンジャーの情報を、ミシガン博物館展示時代にミシガンまで見に行った(!)Sohn氏から頂いた資料や当時のGFRホームページに掲載されていた画像で遂に知り得ることができたのですが、今では数年前に発刊されたMARK師匠の自伝の裏表紙で、その“お姿”を拝見することができます。 いつの日か、必ず。クリーヴランドを訪れて、メッセンジャーをこの目で見ようと決心しています。 日本のメッセンジャー事情。私がグリーンのメッセンジャーを手に入れる以前に、メッセンジャーが日本で売られていたという情報は得られませんでした。 雑誌の中古楽器広告にメッセンジャーが載ったのは私の知る限りでは私のグリーンが始めてだと思っています。(グリーンがPLAYER誌広告に載った1ヶ月前には既に私が購入してましたので、Sold Out として掲載されていました。)当時はインターネットなどは無い時代ですので、グリーンに至るまで20年位、探し回っていたことになります。 グリーンを購入した以降、日本でも数本が売られていたのを知っています。2本目は13年位前に下北沢で売られていたFホールの無い珍しいナチュラル(ピックガードがウッドでした)に始まり、PLAYER誌でも紹介された渋谷で売られていた赤茶の左用と、右用。 PLAYER誌の個人売買コーナーで売られていたのが、ミュージシャンの方が購入されたという素晴らしいコンディションの赤茶、最近ではフロントピックアップが交換されたGuitarsMarketさんの赤茶や、やはりピックアップがP-90に交換されたナチュラルが御茶ノ水で売られていました。この他にもアメリカで3〜4本が売りに出た事があり、約10台くらいが「流通」したのを確認してきました。15年で10台とすると、1年半に1本くらいのペースで「発掘」されているワケで、これを多いと感じるか少ないと感じるか。 必死に2本目のメッセンジャーを捜し求め続けての15年間でしたのでやはり多くはないと感じています。 メッセンジャーのチョイス。 前述のメッセンジャー事情を踏まえ、なかなか2本目のGETに至らなかったのにはワケがあります。 メッセンジャーの仕様。 ほとんど一本一本の仕様が異なるトコがガレージメーカーMUSICRAFT社の良いトコ?です。 私のグリーンは、これはもう“試作品”といえるほど仕様が“特例”ですので、なんとしてもオリジナルパーツ欠損の無い「MARK仕様」が欲しいワケです。 今までに「コレだ!」と思ったのはミュージシャンの方が所有しているPLAYER個人売買品の一本です。(←もし写真付きで売られていたら絶対買ってました!が、あのコーナーは文字だけですから。。。後にPLAYER誌面で知るワケです。「しまったー!」 と。)数年前に発刊されたビザールギターという本に掲載されていた写真の一本も「コレだ!」と思いましたので、恐らく両者は同じ物ではなかろうか。と。つまりMARK仕様のベースになる『基本仕様』(←勝手にこう名づけております)は、ビザールギター掲載&ミュージシャンさん所有&今回の私のコレ。なワケです。 フルオリジナルパーツ、ツマミ配置がひし形で、適度に(指一本くらい)ピックアップがネック&ブリッジから離れていて、オリジナルのブリッジでカバーが欠損してなくて、FAZZスイッチが付いている。んです。 今回は徹底的にメッセンジャーをばらして、調査しました。 これを読めば、あなたもメッセンジャー博士です。世界中の何処に行っても「おお!日本人はなんてメッセンジャーに詳しいんだ。」って感心されるとおもいますよ!(←ヤッパ私バカですかね。) この情報過多のインターネット時代でも、世界中のどこにも詳しい資料は無いギターですから。 これを読んで頂いてもっともっとメッセンジャーの面白さ、MARK FARNERの凄さ、GFRの素晴らしさが再認識されたらいーな。との願いが籠められています。 アルミネックの事情。前オーナーによって、強烈に弾き込まれたこのメッセンジャー。 ネックのエッジも強烈に削られておりますので、この補修過程で、メッセンジャーのネック断面というか、黒い塗装の下に潜む特殊事情が解明されました。 ヘッド先端ネックヒール部まで。ネックの形をしたワンピースアルミの“芯”に、まんべんなく白いパテを塗って、そのパテを削って、ネック形状を作る。という手法で作られています。 ヘッドの表板のみウッドの板が貼り付けてあります。横から見ると、アルミネックの上にブ厚いウッドの指板が貼り付けてありますので、つまりネックを握った時の「ネック厚み」は、アルミ厚+指板厚なワケです。そして指板厚より高さの高いナットがアルミに貼り付けてあり、ナット高さより約 2mm 薄いヘッド板がアルミに貼り付けてあるワケです。 このネック。 恐らく。で。これじゃー狭すぎる。ってんで“普通の幅の”指板を貼り付けて、両サイドをパテで肉盛りしてあるんですね。メッセンジャーは、アルミなのに何故かネックグリップが一本一本異なるんです。ネックが太いメッセンジャーが以外と多いのですが、単純にパテを盛りすぎた。んですね。 ところが中には例外もありまして、実は私のグリーンのネックがやたら細すぎる。のです。よく見ると指板をアルミ部分の幅に合わせて削ってあるのです。恐らく最初はそうやって量産化しようと考えたのでしょう。ほとんどパテを使用してないから細いのです。ところがコノ形状だと、ネック幅がやたら狭くて1弦と6弦が落ちやすい。んですな。実は私のグリーンの Messenger は、弦を落とさないように弾くのが大変。という困ったギターなのです。←パラノイドのハモリを弾くと必ず6弦が落ちてしまうんです。これじゃイカン、加工もアルミ部分を削るのは硬くて大変!っていうんで、サクッと削れる「パテ」を採用して、「加工し易く&弦落ち改善」を図ったのでしょう。(私のグリーンが試作品。という仮説ははこの辺から推察したものです。「苦し紛れの手作りネック」以外にも、試行錯誤してムリヤリ作った箇所が多数ありますので。)で。今回はネックのエッジに補修しなければキビシイと判断されるパテ欠け部分がありましたので、補修ついでにネックシェイプを調整しちゃったりしてます。 パテ盛りすぎ部分を削って、エッジをスリム化してるワケです。左はネックの断面がわかるボロボロにハゲた部分の写真です。右はパテ埋めで補修している写真です。 ちなみにMARK師匠のメッセンジャーも1弦側のエッジ塗装が削れて、白いパテが露出しています。こうなるとアルミ&パテ&塗装の3層で仕上げられているネックですので、異なる各層のツナギメは凸凹となり「引っかかり」となります。ネックの仕上げやキズに神経質な方には向きませんね。MARK師匠はかなりアバウトだったのでしょう。というか、あの勢いで多少の凸凹は弾き倒しちゃうワケですな。さっすがです。 DeArmondのピックアップ。メッセンジャーのピックアップはDeArmond製と言われています。
↑で。はずして、ばらしてみました。↑ これまたコンビニエントなマウント方法で、ボディトップにザグリはありません。ネジ2本でダイレクトマウントです。 ネジを外すと全てバラバラになってしまう、とっても便利な設計です。 高さ調整はできません。当然フロントとリアで高さが異なるのですが、ここでも座布団が敷かれていて、フロントとリアでは座布団の厚みが異なります。 白いのは薄いプラスチック板です。ただただ見た目が良い。という理由でこの板が外から見えるように挟まれているワケで、設計理念が垣間見えます。 見た目もカッコイイし、結果論としてあのカッチョイイ音なワケで、文句ねえだろ。と。 とても好感が持てます。↑裏面に製造日(出荷日?)のスタンプ「JUL,10, 1967」がありましたので、6ヶ月で倒産したと言われているMUSICRAFT社は、1967年に有った会社で、ほぼ全てのメッセンジャーは1967年製である。という事が判明しました。もしかしたらDeArmond社の製造or出荷スタンプかもしれませんが。ま。どっちでもいいですね。音は最高ですので。 ボディの材質。謎に包まれたメッセンジャーのウッドマテリアル。誰も知りません。どこにも資料がありません。誰かが削ってみなければ、誰かが公開しなければ、このまま永遠の謎です。先にボディサイドは合板。と述べましたが、ナント。 トップもバックも合板でした。いわゆるベニア板ですな。 メーカー資料にも記載されないワケです。私自身も例の Gibsonピックアップ取り付け「四角い穴」開け作業をしてて衝撃を受けました。 普通のカッターでも切削可能な、なんと加工しやすいコンビニエントな材質チョイス。下穴なしでダイレクトに木ネジが締め付けられるので、作業が早い早い。力も要らないし。 しかしアナどってはいけません。今回犠牲となった《赤茶》や私の宝《グリーン》は、なにやら高級家具のような木目をあしらった合板を採用しているし、Sohn氏所有の《サンバースト》となると、ツルンとした木目の無い板になりますので、材料費が安いから合板。なのではなく、見た目重視で慎重にチョイスされたのだと思われます。 しかも。これもサウンドは文句なく最っ高。ですので木材のネームバリューやスペックを超越したトコに、メッセンジャーとMARK FARNERの良さがあるワケです。 オリジナルのブリッジとブリッジカバー
バラされた写真はどこにも無いので、これも本邦初公開かな?台座の板から2本のスタッドスクリューが立っていて、メッセンジャーの特長的な大きなワッシャをからめてからブリッジを置きます。 このワッシャで弦高調整が弦を張ったまま簡単にできるのです。この大きなワッシャはゼマイティスでも絶賛されている優れた機能なのですが、こちらは市販品のワッシャを使っているトコがより庶民的でいいんです。 レスポールではその加工精度の高さからポロリと落ちてイライラするブリッジも、2本のスタッドとブリッジの2個の穴位置が微妙に寸法が狂っていてくれているお陰で「エイヤ」っと、押し込まなければ入ってくれません。つまりブリッジは「落ちない」んですね。 で、その上にムスタングのソレのようなブリッジカバーが付くのですが、これも同じ設計理念により、穴位置が微妙で落ちません。このブリッジカバーを紛失したメッセンジャーが非常に多く、今回はこの部品も欠損していなかった事が誉(ホマレ)です。なぜならMARKはこのブリッジカバーを常時付けていますのでこのカバーは重要なのです。つまり弾くときに弦をブリッジ部でミュートでしない(できなかった)んですね。 初期のワイルドな、かき鳴らすような、個性的な16ビート・カッティングの秘密は、ここにあるワケです。重要でしょ。で、一応、このカバーを止める六角ナットが最後にスタッドに取り付けられて、全てを固定するんですが、そうなると弦の交換ごとにナットを外さなければならず、MARKもナットは使っていなかったようです。ブリッジ駒は白いプラスチック製で出来ています。もっのすごく雑な溝切りで、やたらサスティーンのない弦があったりして愕然とします。 ま、あんまり神経質なコトを言っているようでは乗りこなせない暴れ馬なワケで、サスティーンはこすって出せ。と。(Vibrato練習しろ。と。) オリジナルのノブ。これです。数字が “ 9 ” までしか刻印されていません。 つまりフルにした状態を「フルテン」とは言えないのです。『フルナイン』 もしくは 『フリキリ』 と言わなければなりません。 単純に10が書いてないダケですので、絞りきった位置を 1 にすると 9 を越えてフリキるワケです。 私はそれじゃ分かりにくいので『フルナイン』にしてあります。つまり 「シボリキリ to フルナイン設定」なワケです。 「1 to フリキリ」の方が、なにやら美学を感じますんで、そのうちそうするかもしれません。 このFUZZ音量調整ノブは、FUZZをOFFにしていても効いちゃうんです。変なんです。絞ると音が出なくなります。さっぱりわかりませんがそうなっています。あ。そうそう。そうなんです。このメッセンッジャー、ナント!オリジナルFUZZ回路が付いているんです!何年間も「メッセンジャーのオリジナルFUZZなんて無いんじゃないの?」と疑い続けてきた私がひっくり返る程おどろいた、“FUZZ付きメッセンジャー”なんです。 オリジナルのMUSICRAFT社製“ FUZZ ”。
ああ。また逸れてますね。 FUZZです。FUZZ。つまり、音量が小さいのでフルテンでしか使えないHEATHKITよりも、メッセンジャーのFUZZの方がフレキシブルにいろんな音が作れるワケです。 トナルト。もしやアノ、『ギミーシェルター』の音も作れちゃったりするのかいな。と、試したところ。ありゃま。いいカンジの音が出ちゃいます。今度はFUZZの歪みをフルにして、FUZZの音量を絞るのです。さっきまでは7&9、今度は9&7です。実はふざけて「逆にしたらどうなのよ」と試してみたダケなのですが、「あれ。けっこうイイカンジで、これもアリだな。BigMuffみたいで。。。ん?BigMuff?えー !? マジで?」 ってな具合で発見されたんです。 Micro-Frets時代は、確実にペダルエフェクターを使用して、あのディストーションサウンドを得ているので、アメリカンバンドとかナニカ使っているハズなんですが、メッセンジャー時代のギミーシェルターって、果たしてどうなのよ。という自問自答の答えまでが、ナントここにあったワケです。 メッセンジャーのニオイ。 はっきり言ってクサイです。ニオイのしないメッセンジャーと出会った事がありません。 メッセンジャーのウェイト。 はっきり言ってメチャ重いです。レスポールより重いセミアコ。 メッセンジャーのストラップピンがホーン(無いけど)の下側に設置されている理由も、この構造欠陥(個性と呼びましょう)の対策のためでしょう。 つまりアルミブロックはボディとネックのウェイトバランスを取る為に、木のセンターブロック内側に収納された。のかな。。。と。。。で、この2重構造のセンターブロックが重い。ネックも重い。ついでの分厚いテールピースも重い。ギターはうんと重いワケです。軽いギター=良い音。という定説は、メッセンジャーに通用しません。重いけど最っ高に良い音です! 後 記お疲れ様でした。本編終了です。これを最後まで読んでくださった方、ほんとうにありがとうございます。 もしもこれでメッセンジャーに興味を持って頂ければ、ほんとうにウレシイです。この記事が誰かの何かの役に立つことができたなら、私は尊敬する RandyさんやSohnさんに少しだけ近づけるかもしれません。これでもうメッセンジャーは謎のギターではなくなりました。歴史に残る“銘器”として、こんどは皆さんによって語り継がれていくことを願っています。
Great Thanks ! MUSICRAFT INC, and MARK FARNER !!
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メッセンジャー博士Mr.エリック氏から Eric Bloom Collection |
もう一人の暴走機関士 Ogawa Collection |
追伸:ガムテープの追求。先日、里帰りで日本に帰ってきたアメリカに住む兄が、完成したこの MESSENGER of The“Real” Mark Farner MODを見て一言。
で、兄が帰国後これが送られてきました。 というワケで、これがアメリカで売られているペラッペラのガムテープです。兄弟でアホです。 爆音!ベーシスト&ドラマー対策
Guitar Player Magazine
衝撃資料写真の追加です。 なんとネックは“抜ける”んですね。 記事の内容は、このギターのオーナーKen Settle氏が、グランドファンクの大々ファンで、何年もかけて謎のギターの正体を暴き、遂に手に入れるまでの熱いエピソードが記されており、ギターの仕様とかはあんまり書いてません(笑)。 『ああ、やっぱり世界中に強烈なファンの方がたくさんいらっしゃるんだ!』 ピックアップの寿命 ピックアップが酷使したせいで、一個壊れました。 ははぁん。そうか! たぶんマーク師匠のフロントPUも、酷使しすぎてお亡くなりになったんではなかろーか。 だから使わないリアにハンバッキングを付けた! に、チガイナイ! フロントしか使わないのに、なんでリア交換???と思ってたんですが、た・ぶ・ん、フロントが自然に壊れて、ハウリっぱなしになって。で。使ってないリアPUをフロントに移植して、空いたリアに大きめのハンバッキングを目隠しのために載せた。 ライヴアルバムの In Need のハーモニカの後。ギター弾き始める瞬間に「カキン」って、SW切り替える音がします。 などと、いつものよーに妄想に駆られながら、夜は更けていきます。。。。。 ネジを3本はずしたら。。。 指版削って、フレット打ち替えたにもかかわらず、あまりにも弾きにくい。(最近、とても良いレスポール弾いちゃったもんで。。。) で、衝撃写真館はこちらです。 「おおー!」ってカンジでしょ。
で。穴です。
で、ネックできました。
ギター製作の師匠から、「急がば回れ。塗装は、じっくり作業しましょう。」とメールが届いた時点で、すでにグルグル回ってました。 乾くまで待てない性格なんです。塗装向きではないらしい。 で。なんとか出来たんですが、磨きすぎて、ネックだけやたらぴかぴかです。 ライヴ直前、大丈夫なのか、俺?なはは。 で。なぜか、すんごい鳴るようになりました。 今日から、オ・ト・ナ。 ムフ。Keep it Shinin' On !!笑劇のFUZZ回路 Part 1ライヴ直前、ネックのメンテやらアンプのメンテやらしつつーの、久々に真面目にギターの練習などもしていたら、どーにもこーにも “FUZZ” が、言う事を聞いてくれない。。。というか制御不能。 ブチブチって、ブチ切れてしまい、「いやいやここは音を伸ばしたいんですけど。。。」などと、ギターに祈りつつ弾くワケです。もっとツライのが、早いパッセージのフレーズ弾いてると、勝手にミュートが入るので、完全にピッキングミスしてるのか、もの凄い身勝手なリズム感で弾いてるのか。としか聞こえない。。。 強烈なリズムカッティングを誇るMARK師匠が、名作LIVE ALBUMでのAre You Readyのソロが、早弾きぢゃないのに、なんかピッキングがアヤウイ“間”に聞こえるのは、そーゆー理由があるんです。 メッセンジャーのFUZZを使えば普通に弾いてもMARK節になる。ムフ。などとほくそえんでいたのも束の間、ヤッパ私程度のテクではブチブチなヘタクソにしか聞こえないと気付き、焦るワケです。(上手くないので、上手く見せようなどとは思わないのですが、ブチブチだな。コイツ。と思われるのもなんか悲しい。。。) で、いろいろいじってたら。わかっちゃった。 がっ! つ・ま・り、FUZZスイッチONと同時に、7、2 に瞬時にツマミをコントロールして・・・・って出切るワケない!!!!!(7、4だとブチ切れてしまい、 7、0だとショボくなるの。) スイッチを手でONにするのって以外と大変なんですよ。 デジタルリマスターの On Time のボーナストラックにしつこく、何度も入ってるアレ(イントロ)は、あのタイミングで弾きながら、FUZZスイッチを切るのを何度も何度も練習している。っていう音源なんです。ナンダコレ。って私も最初は思いました。っていうか、MARK師匠以外の誰か(メル?)が、スイッチを切ってくれているんだと、ずーっと思っていました。あのボーナストラックで、「あっ!弾きながらスイッチ切ってるんだ。すっげえ。」って。(あ。完全に逸れてます。いつも通り。) で。で。で。 なんとか配線を変えて、ノーマル時にFUZZの音量ツマミをバイパスしたいな。 で。大笑い。 Musicraft社様。僕のメッセンジャー、配線、間違ってますよ。 7、2にツマミをセットしておいて、スイッチONにすれば、セットした音が出るし、OFFにすれば、ノーマルの音がちゃんと出る。やったぞ、これはナント凄い便利!(←って、コレ、普通じゃん!) いやはや。 普通じゃないのがメッセンジャー。。。。ってか、すっげえメーカーだな。 ん?これでミスピッキングの言い訳が利かなくなちゃった?やっちゃったか、俺? 弾きにくいんですよ〜。ホントホント。 笑劇のFUZZ回路 Part 2でもって、ライヴ本番だったワケですが、Inside Looking Out のチョーキング&FUZZスイッチ「ON!」の大事な場面で、やっぱり息継ぎしやがった! チョーキング詰まったみたいで。チクショーっ!もう、悔しくてしばし悶々としまして、こりゃ毎回「息継ぎしないでね」って祈りながらチョーキングするわけにいかねーぞ。ってか、MARK師匠が祈ってるように思えないぞ。と。 で、気付いたら学生時代、電気系の学科だったんですね。私。 スイッチが2接点で、片方の接点がFUZZの信号が「割り込んでくる」線で、もう片方が電池のON-OFFなんですよ。 んっ? とりあえず直してみたら。。。。。あれま。 「乾電池は東京電力と関係ねえだろ!」 かくして、私のメッセンジャーは遂に、InsideLookingOutのチョーキングで息継ぎしなくなりました。 わっはっは。笑劇のFUZZ回路 Part 3でもって、ライヴも済んじゃったし、でも誰かに聞いてもらいたし、と、友達のスタジオを訪ねまして、そこにあったデジタルアンプ?(PODとかいうトマトみたいなデザインの箱)につないだら。 「なんかOFFなのにFUZZが遠くのほーで混ざって聞こえるよ(笑)」 って言われまして。がちょーん。 つまり、メッセンジャーのFUZZの配線(ファクトリーオリジナル)っていうのは、全っ然、間違ってるんです。 全っ然、根本的に配線が間違ってるんです! やっぱ凄いメーカーです。。。 って、フツーじゃん!それ。 そしたらナント、FUZZの音がデカクなって(FUZZ音量も6くらいに絞らなきゃならないくらい)、しかもやたらヌケるようになっちゃいまして、良いFUZZなんじゃん。これ。 いやあ、いい。 なぜ潰れたんだあああぁぁぁぁ〜!The Star Spandgled Banner Pin
と、コーフンして5個も買い占めてしまいしたが、これを読んでいる貴方が、この画像を見ても全くコーフンしていないのは分かっています。 がしかし。おじさんが5個も買う程にコーフンするには、涙なしには語れない永い旅路の歴史があるからなのです。 ( え?ピンコレクターの方が多いの?) で。ピンバッジというのは、その筋のマニアには奥の深い世界“ らしく ”、専門店に行くと、トンデモない量のピンバッジがズラリ(なんて形容詞が当てはまらないくらいウジャウジャ)と並んでいて、その中からオメアテのピンを探し出すなんて、まず素人サンには到底出来ない世界なのです。 忘れもしない。長野オリンピック。 世界中からピンバッジのトレード目当てに人々が集う、ピンバッジ界最大のイベントと聞き、多くのピンバッジ屋が出没すると聞き、寒いのキライなのに、たった一つの星条旗ピンバッジを探し求めて、善光寺に祈り。 みなさん、知っていますか? オリンピックに集う、ピンバッジ・マニアは、帽子とかバッグにピンをつけて「どうだい」とアピールしたいんで、メッセンジャーに貼り付けるくらい「ちっちゃな」ピンは、興味ねえ。んですよ! 「ピンバッジ、お好きなんですか」
コレがそれ。 ねえ。これは違うよねえ。。。 なのに、このトーリ。 店のおじさんが余りにも一生懸命に星条旗を探してくれたので 「いらねーよ!」って言えずに購入してしまったんですね。 写真を撮りながら「あれ?なんで買っちゃったんだ? これじゃタダの星条旗ピン・コレクターじゃん。」 ムフ。 「コレ、探してたヤツぢゃない?」 って、いとも簡単にその瞬間は訪れ。 で、全部、買占めようとしたら、「子供みたいな事しないっ」 と叱られ、泣く泣くの5個ですよ。泣く泣くの。 というワケで、まだ3個。売れ残ってるハズですよ。(笑) つい先日、NHK BS放送でも放映されたデビュー当時の Inside Lookin' Outのスタジオライヴでは、この星条旗ピンはまだ貼られてませんので、明らかにLIVE ALBUMの音とは違いましたでしょ。(一瞬とはいえ、説得力あるなぁ。。。よく読めばアホですが。) どうです、このかっこよさ。これで完璧です。
ちなみに、今までは自作の星条旗(ピック切り抜いて、チマチマと描き)だったのですが、 ほう、自作の星条旗もよく出来てたな。。。(笑) だんだん完璧になっていくぞ。。。ムフ。
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