メッセンジャー探訪の旅 II in the Temple City

written by Eiji Farner


『マークファーナーのメッセンジャーが見たい。』

そう願って、クリーブランドへ旅してから早くも2年半の年月が
経ちました。 その旅のドタバタ旅日記は、コチラ をご覧頂いて、
これはその旅日記の続きです。
この暴走機関車は“Railroad”の上を走り続けいます。

そこでは過去と未来が共有の大地の上で確かにつながっている。と、このサイトのアチコチに散りばめられたいくつもの夢のようなエピソードを紹介させて頂く都度、毎々申し上げてきました。
そんな作り話みたいな。。。って、誰よりもボク自身が毎々驚き、泣き、笑い、しかしそれらは全て、ほんとうに起こったミラクルなのです。

夢のような体験だったクリーブランドの旅のエピソードを読んでくださった方は御存知ですが、あの旅では、ひとつだけ、完結できなかった事がありました。
そうです。一番の目的であったメッセンジャーが残念ながら展示されておらず、ボクはそれを見ることができなかったのです。
それはつまり、ボクの暴走機関車の旅がまだまだ続くんだという意味であり、きっと必ず、素敵な"NEXT"がこのレイルロードの先に待っているという予感(確信)でもありました。

そして、それはいきなり。
やっぱり。起・き・ま・し・た!

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

東京で遅咲き桜が満開になったその日、仕事帰りに夜桜を眺めていたら、フト。急に思い出したのです。
そういえば、日本の満開の桜を一度見てみたい。と言っていた、クリーブランドの旅を一緒にしてくれたマーク・パワーさんに、この桜を見せてあげたいなぁ。と。

夜だし、たいした写真が撮れるとも思えないながらも、携帯電話を取り出してピントの甘い桜の写真を撮り貯めまして、さて久々に、マークにメールでもすっか。元気にしてるかな。と、パソコンを開いたら。アレ。あっちからもから久しぶりのメールが届いてるっ。
この時点で、なんだかほんとうにうれしくなってしまい。(笑)
なぜなら彼は、ボクの恩人であり、大親友であり、ほんとうの兄弟のような大切な存在なのです。

それにしても気が合う。(笑) 

で、これがこのエピソードの最初のサプライズ。(さあ、ここから暴走機関車マジック、発進!)

くそう、あと半日、コチラから送るメールが早ければ、マークのほうを今頃きっと、こんなHAPPYな気持ちにさせてあげられてたかな。などと、思いながらも、英語の手紙を読むのも久々で。(笑)

で、そのメールには、こう書いてあったのです。

『エージ、すぐにウチへ来い。
お前の大好きなマーク・ファーナーが、今週末この街にやって来る!
チケットは買ってある。すぐに飛行機に乗れ。』
と!!!!!!!!

マーク・パワーさんの住んでいるのは、
ロサンゼルス郊外のテンプル・シティという街です。

テンプル・シティ

隣のパサディナは、かのヴァンヘイレン兄弟の出た街としても、ローズボールが開催される街としても余りにも有名ですが、テンプル・シティは誰も知りません。(笑)

だって田舎だもん。いわゆる閑静な住宅地です。

我々日本人のイメージにある、アメリカの住宅街ね。家の前に緑の芝生があって、白い柵があって、ローラースケートを履いた新聞配達の少年が新聞を投げると歯ブラシくわえてアクビしに出てきた旦那に当たって、ポトリと落ちた新聞を白くてデカい犬がくわえてキッチンに届けると、太った奥さんが犬だけ誉めて旦那には怒鳴る。という風景がそのままハマるカンジ。(わかる?)

で、唯一の娯楽施設が大型ショッピングモールとその中の映画館(←映画見ました。だって唯一なんで。字幕なかったけど。)と、隣接する競馬場だけという。
でで。その競馬場で、マークファーナー・バンドのライヴが催されるんで、エージ来い、泊まる場所も何も心配いらないよ。と。

行くっきゃないでしょ。これは。普通。
今までのボクなら。(笑)

ガ、シカシ。
なんと驚いたことに彼は行かなかったのです。
あろうことか。自称・暴走機関士たるボクともあろうものが。

通称「ESTA」なるアメリカの事前渡航認証システムの申請やら仕事やら、行かない言い訳はいくらでも簡単に作り出せてしまうもので、翌日メールを返信したのです。

『残念だけど、身体は行けないんで、魂だけ、貴方の隣に居ると感じて、
ボクの分までそのライヴを楽しんで来てください。(←アホ)
そしてどんなに素晴らしかったか教えてください。(←大アホ)』



果たして。マークさんは、友人のケヴィンさん(GFRの大ファン)と一緒に、マークファーナーバンドを見に行ったのでした。

ここで注釈しますと、マーク・パワーさんは、優しくって、シャイで、名前とは全く裏腹で (笑)、ビートルズやロカビリーやインド音楽が大好きで、ハードロックはあまり聴かないんです。
あ。ちなみに、マークっていう名前からアメリカ人がイメージするのは、日本の名前だと、ツヨシとか、タケシとか、ユウジとか、つまり勇ましい男の子のイメージの名前なんですって。
シャイなマーク本人から教わりました。(笑)

マーク・パワーって、どんだけ〜。です。
おっと逸れた。

で、ボクと一緒の旅では一日中、地平線が見える砂漠の一本道を車で走りながら、“ハードロックのGFR”を聴かされるワケで、もちろんGFRの代表曲は知っているものの、こんなにも一日中GFRを聴いたことはないだろうし(笑)、でも『カッコいい曲だね。でもボクにはラウドすぎるけど。』と、いつもニコニコしている。そんなカンジなのです。(笑)

そんな心優しいマークさんが。
コブシを突き上げ奇声を発する熱狂的ロックファンの群集の中に、
目一杯の勇気をもって歩を進め
なななんと最前列のマークファーナーの足元で撮ってくれた写真が、
コレです。

  

  

絶対に他人を押しのけたりできないタイプの、人混みがニガテなタイプのシャイなマークさんが。ラウドなハードロック鳴り響くPAスピーカーの前まで、ボクのために少しずつ。きっと周りの人に気を遣いながら、ドキドキしながら、少しずつ、少しずつ。
それはきっと、すごい勇気を振り絞ってくれた。って、ボクは彼の(彼はボクの)想いが、お互いにわかるので、それだけで泣きそうなくらいありがたかったし、うれしかった。
グッジョブ、マーク!がんばってくれてありがとう!って。

行かれなかったボクを喜ばせてあげよう。
なんて、こんなにも想ってくれて、ありがとう!って。

そしてこれは、ボク達日本のファンにとって、今、この瞬間も、マークファーナーは現役ハードロック・ミュージシャンであり続け、パワフルなステージを繰り広げているという嬉しい知らせでもあるワケです。

サテサテ。
ここまで、エエ話しだなぁ〜。って、これだけで終わらないのが、
この暴走機関車の素敵なトコロ。
ビッグサプライズは、この写真です。

じゃーん。(って、最近はあんまり言わないか。)
でも、じゃーん。

あまりにも、凄まじい感動が全身の血管を走り回り、ボクはまたもボロボロと涙があふれてしまいました。

あの日、クリーブランドの広い博物館で、日本からメッセンジャーを見に来たんで、どうしても見たいんです。ってダダをこね(恥っ)、心優しい職員の皆さんに、バックヤードまでも捜しまわってもらったのに、とうとう拝むことのできなかったメッセンジャーは、この通り。

『君が捜していたギターは、ここに、ちゃんと戻ってきているよ。』

とばかりに、マークファーナーの両手に抱かれているのです。

この写真はコンサート会場のグッズ売り場で売られていたそうで、恐らくマーク(パワー)さんも、この写真を見て、『あーっ!』って、絶対に同じ事を感じたハズなんです。
そして彼は、この写真をボクに届けてあげようと想ってくれて、購入し、サイン会の列に並んでくれました。

(サイン会があったのか!ヤッパ行くべきだった〜)

ボクとマークさんがクリーブランドに行って、ひとつだけ叶わなかった探し物が、素敵な写真となってボクらの前に現れ、そしてそこにマークファーナー尊師のサインが書かれた。という。

ね。エエ話しでしょ〜。
で。エエ話しには、必ずもっと凄い続きがあります。
ここからは同封されていたマークさんの手紙に
書いてあったエピソードです。

サイン会の列に並び、順番を待つマークさんにはひとつのアイデアがあったそうなのです。
マークファーナーにサインを書いてもらう時に、エージへのメッセージを添えてもらえば、エージはきっと大喜びするぞ。と。
このサイトを隅々読んだ方は、この意味が分かると思います。
Peavey Impact のTシャツに書かれた“God Bless” がボクの人生を変え→ グリーンのメッセンジャー に書かれた“Believe”が、このサイトを生み出し→ Parkerに書かれた“Keep it” が今も続いている。という、マークファーナーから頂いたメッセージの秘話を、マークさんもモチロン知っているのです。
マークさんの弟である Eiji が、貴方のギターをひと目見たいとクリーブランドを訪問し、今も日本でGFRのトリビュートバンドを演っていて、そんなアホな弟に新たなメッセージを。と、考えてくれたワケです。

がっ!しかし。
ここでマークさんは大きな問題に直面したそうなのです。
彼にはどうしても越えられない障壁が立ちふさがっている事に
彼自身が気付いたのです。

はい。彼は、ウルトラ・シャイなんで、言えないんです。(滝涙)

たった今さっきまでステージで輝きを放っていたロックスター・マークファーナーを前にして、そんな風にフランクにリクエストを言うなんて、とてもとても。遠慮して言えない。。。のがマークさんなんです。

そおいえば。

一昨年、L.A.の隣のサンディエゴに、マークさんの大好きなディヴ・メイソンを一緒に見に行ったときも、目の前に居るディヴメイソンに、ボクが、『行け!行くんだ、マークパワー!』ってドンって背中を押したのに、

『ボクの神様なんで、話しかけられない。。。』
ってシーンがあったんでした。

ここまで手紙を読んでボクは察しました。
ははぁーん、ケヴィンさんに相談して、
力添えてもらったに チガイナイ!と。

が、手紙にあったエピソードは、もっと素敵なミラクルだったのです。

モジモジのマークさんが差し出した例の写真に、いよいよマークファーナー尊師がサインを書きはじめると、尊師はサインに名前を添えてくれようとマークさんに『キミの名前は?』と訊いてくれたそうなのです。

マークさんは、『これは日本の My brother、 あなたの大ファンの Eiji にプレゼントするので、Eiji と書いてください。』と小さな声で勇気を振り絞ってリクエストしてくれました。

でも、それ以上の言葉がどうしても言い出せなかったそうなのです。
メッセージを何て頼めばいいのか。

○○って書いてください。いや違う、
エージはこの人からのメッセージが欲しいハズだ。
どどどどうしよう。。。書き終わっちゃう〜。って。
心の中で泣き叫び、そんな自分を責めに責めたそうなのです。
その瞬間、マークさんの心の中に突然、
ひとつの言葉が浮かんだそうなのです。

" Rock On ! "

今もGFRの音楽でロックし続けているエージに、Rock On って書いてあげて欲しい!
って、急に、わあっと思ったそうなんです。

でも、言えない。シャイなんで。

もうそのときのマークさんの心中たるや、察するに。
これを読んでくれている皆さんには、可笑しくってタマランものがあるでしょうが、当事者のボクは、有り難くってタマランですし、察するにアマリアルものがあります。

そ・し・て。
サインを書き終えペンを置いたマークファーナーが、写真をマークに手渡した時、またしても奇跡が起きたのです。

そこには、Rock On !! Eiji って、書いてあったのです!

もう心臓が飛び出るくらいビックリしたマークさんは、
『な、な、な、なんで・・・?』って。
(たぶん声にして言えなかったハズ)

そこにあったのは、マークファーナーの満面の笑顔だったそう。
そして、『全てわかっているよ。』 と、マークさんの心に直接、マークファーナーは語りかけてくれたんですって!

確かに、あの時のマークファーナーは、ボクの心を読み取ってくれて、それは偶然だなんて、不思議と全然思わなかったよ。

あっ、この人はわかるんだ!って。
これがエージが何度も何度も、いっつも話してくれる“奇跡”なんだ!

って、手紙に書いてあるんだけど、だから何度も何度も言ったろう。って (笑)。
読んでるボクもそのときのマークさんの気持ちが伝わってくるし、よかったねーって思うし、待てよ、一番ハッピーなのはやっぱりボクか。って嬉しくなるしで。またも嬉し涙。。。

もしかしたら、マークファーナー尊師は遠く離れた日本の、もう5年も前の出来事の、いちファンの Eiji を覚えていてくれたのかな。。。なんてね。(←大アホ。万歳!)

ほんとうにマークさんの心を読めたんだと、ボクもこれまでの自分の体験から、そう信じているものの、それでもやっぱり凄いミラクルだなって、心の震えが止まりません。

グッジョブ、マークさん!ありがとう!
そしてボク達のレイルロードの旅は、まだまだ途中で
そしてこれからも続くということを指し示すメッセージ。

" Rock On ! "

最後まで読んでくださって、ありがとう。

最後まで読んでくださった方だけに、もうひとつのサプライズ。ビッグニュースをこっそりお知らせします。(笑)

その日、すぐ目の前に居るマークファーナーに話しかけられないシャイなマークさんが耳にした、他のファンとマーク尊師の会話。

『あなたはメッセンジャーギターの復刻計画にエンドースしましたか?』
『YES, 私はエンドースした。それは、"Made in THE USA"だ。』

どうです!こ・れ。は、もの凄いニュースでしょう。
HOT NEWSに載せずに、コレを読んだ人だけ。です。

もちろん、この会話の指す“THE USA” が、韓国製のEASTWOOD社製コピーモデルでは無いことは明白です。
さあ、もう一度、この写真をご覧ください。

ボクが見れなかったこのメッセンジャーは、マークファーナー監修の元で複製され、このレイルロードの旅の先で、ボクら皆が出逢えるよう、今、この瞬間に、マークファーナー御本人が活動してくれているのです!

そして、この素敵な情報を、誰あろう、ボクと一緒にメッセンジャーを探しに行ってくれたマークさんが偶然に立ち聞きして、ボク達に届けてくれました。

神様は、本当に意気な演出をしてくださいます。

立ち聞き。グッジョブ、マークさん!
そして、ほんとうにありがとう。

これは、ボクの人生で最も大切な、2人のマークが肩を組んでいるという
ボクにとっては、これこそが、いっちばんミラクルな写真です。

Hi Mark-san,
Thank you veeeeeeeery much, Okini, Okini, Arigatou,
your real brother Eiji

“Rock on !!”



Witten by Eiji Farner

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