Hiyama's WEST GRANDE




これは、2014年クリスマスに幻のWESTスピーカーキャビネットXRSを
寄付してくださった桧山さんの所有するWESTヘッドアンプ

「GRANDE」です。





ここで、WESTのおさらいをしましょう。(笑)




GRAND FUNK MANIAC's
The WEST Amplifire Collection


これが桧山さんから寄付して頂いたスピーカーキャビネットXRS



このキャビネットの起こした奇蹟のエピソードはコチラ
http://grandfunk-maniac.org/mark/west_XRS.htm

WESTのヘッドアンプは出力によってネーミングが異なり、50Wが「AVALON」、100Wが「GRANDE」、200Wが「FILLMORE」と名付けられています。

左がアバロン、右がグランデ、下の黒がフィルモアです。

 
http://grandfunk-maniac.org/mark/west_9.htm  http://grandfunk-maniac.org/mark/west_8.htm


http://grandfunk-maniac.org/mel/west_7.htm

基本的にはグリルのカラーはシルバーなのですが、極稀に黒があります。グランドファンクが使っていたWESTは、ほとんどが黒でした。(シルバーを使っていたステージ写真もあります。)
なので、この黒いフィルモアは貴重なレアモデルと言えます。

更にバリエーションとして、50Wアヴァロンと100Wグランデにはリバーブ付き仕様があり、それぞれ「AVALON-R」、「GRANDE-R」と名付けられてます。200Wフィルモアのリバーブ付きは恐らく存在しません。

 
http://grandfunk-maniac.org/mark/west_6.htm

リバーブ内臓モデルにはリバーブ調整ツマミが付いてますので、
ツマミの数が5個です。
グランデRはアメリカのWESTコレクター、Michaelさんが所有していて、
当サイトに資料写真を送ってくださりました。それがこれ。


http://grandfunk-maniac.org/otakara/4_Michael.htm

で、50Wアヴァロンのヘッドをそのまま天地をひっくり返して
アンプキャビネットに詰め込んだ
「Mini-1」というコンボアンプもあります。

 
http://grandfunk-maniac.org/mark/west_5.htm   http://grandfunk-maniac.org/mark/west_12.htm

右の真っ黒いグランデは初期型のWESTです。
1970年迄のグランドファンクのステージ写真は
この初期型を使っています。
1971年来日公演では、既に銀パネルのWESTになっていますので、
黒パネルは来日以前という事になります。

 
左がブラックパネル、右がシルバーパネル(1971日本公演)

初期型“BLACK FACE”にも、50Wアバロン、100Wグランデ、
200Wフィルモアと、3タイプがありました。

で、ここまでがギター&ベース用の標準モデルであり、これらの他にPA用のパワーアンプ「J-250」「J-500」やミキサーなどもあり、それらはアメリカ国内でもほとんど流通しなかったようで、ボクも現物を見たことがない製品が多々あります。

 
http://grandfunk-maniac.org/mark/west_13.htm   http://grandfunk-maniac.org/mark/west_10.htm

これらは発掘したレアモデル。
左はプリアンプミキサー、右は500WのPA用パワーアンプ、です。

そ・し・て。世界中に資料が無いWESTの研究を始めた当サイト発足当初、最もアタマを悩ます原因となったのが、この2台のWESTアンプです。



この2台は、前述WEST標準モデルとは見た目も仕様も全く異なっており、ぬわんと。グランドファンクの為に特別にカスタムメイド&モディファイされた特別仕様のWESTだったのです。

つまり、グランドファンクが
実際に使っていたWESTなのです!

なんで、アタマを悩ませたかと言うと、
いちばん最初に見たWESTが、 コレであり、


次に手に入れて、実際に音を出すことが出来たのが、
コレであり、



ほう、WESTってツマミが無いのか。
え?WESTって青いグリルなの?え?え?え?って。(笑)

だって、まさか、グランドファンク特注仕様のWESTが
手に入るなんて、思わないでしょ。(笑)
それも最初の2台って。。。ね。


ちなみに、上の「ツマミの無い黒いWEST」は、マークファーナーが
恐らくハモンドオルガン用として使っていたパワーアンプ部分。

 

このように多くのステージ写真に写っています。

で、下の青いWESTは、メルシャッカ―が使っていたベース用です。

メルの青いWESTが写っているステージ写真は無いのですが、それには理由がありまして、1974年以降のステージ写真をカタッパシから見ていくと、メルだけアンプヘッドをスピーカーキャビネットの上に乗せていないのです。

恐らくキャビネットの裏の床(もしくは台)の上に置いているらしく、なのでアンプヘッドが写っている写真が1枚も無いのです。
なんで、見えない場所に置いたかと推察すると、青いグリルに張り替えてシャーシもツマミも刷新しているこのモディファイアンプは全くWESTに見えないので、エンドースしているWESTに対する配慮があったものと推察されます。Dave West氏に「そりゃねえっすよ」って怒られちゃったのカモ。

もしくは、メルの凄まじいサウンドによって演奏中に真空管が燃え尽きてしまう事も頻繁にあったそうなので、キャビネットの裏にスタンバイした皮手袋をつけたスタッフが切れた真空管をワシ掴みにして急いで交換するという有名なエピソード(メルのインタビューより)から妄想すると、背の高いスピーカーキャビネットの上にアンプを置く事を交換作業のデメリットと判断したのかもしれません。


キャビの裏に潜むスタッフ写真
たしかに。。。身長2メートルくらいないと
真空管の状態を目視できないわね。

とゆーワケで、ツマミなしWESTと写真の無い青いモディファイWESTから検証&研究を始めた当サイトの歩んできた苦難の連続は。。。。って、どんどん逸れてますね。

このページ主役は桧山さんのGRANDEでした。(笑)





ここまで読んでくださって、 既にWESTに関する
かなりの知識人となった貴方は、
下の写真の歴史的価値と美しさを御理解頂けるでしょう。
これが、頂いたスピーカーキャビネットにグランデを載せた、
本来のWESTの姿です。

 

クリスマスプレゼントで頂いたXRSの上に鎮座する
桧山さんのグランデ。

本来は、このセットの状態で売られていたワケです。
アンプとキャビのグリルの黄バミ具合とか、
やっぱりタタズマイが最強です。

XRSキャビのレポート「浜庄の奇蹟」
http://grandfunk-maniac.org/mark/west_XRS.htm
を読んで頂ければ、このヘッドとキャビのセットが
由緒ある正規輸入品であることは、
もはや日本中の誰もが知る処であります。

で、早速、スタジオに持ち込んで、鳴らしてみました。
もちろん、バンドでグランドファンクを演奏して。

いいっ!(≧▽≦)

素晴らしいサウンド!

  
比較に持ち込んだ、アバロンRと、青いメル’sフィルモアとで
サウンドの比較しまくる、幸せの絶頂風景。(笑)


たいていは切れて点灯しなくなってしまう白い電源スイッチの中で赤く光る電球が生きているのも超レアだし、リアパネルのスピーカーインピーダンスの切り替えレバーの先端ツマミもちゃんと残っています。どちらもチャントしているのを初めて見ました。

   
さっすが正規輸入品!

実は。
ボクの所有する100Wモデル(ブラックフェイスとシルバーパネル)のグランデ2台は、耐久性が悪く壊れやすいので、「グランデは壊れる」という思い込みをずっと抱いていました。

 

友人のChangさんが所有するグランデも目の前で火を噴いたことがあり、それらを修理したアンプ専門家の診察によればバイアス値がおかしいらしく、100Wモデルだけ設計上に問題あるとの指摘を受けたことがあるからです。

これはその火を吹いたグランデ。


http://grandfunk-maniac.org/otakara/12_Chang.htm

そのために今まで100Wのグランデを“本気”で鳴らせた経験が無く、抑え目のサウンドがグランデのイメージになってしまっていたのでした。

ところが桧山さんのグランデは、ガツンと歪ませて演奏しても音、動作、臭い(←焦げ臭くなる場合がある)と、全て安定していて、全く壊れない。これまでにも壊れたことはないとの事なのです。

もしかしたらグランデの後期モデルは問題が改善しているのかもしれません。

前期モデルと後期モデルの見分け方はコレ。



後期にはラッパのマークと、
音を歪ませる「L.O.U.Dスイッチ」が付いていて、
初期モデルには付いていないのです。


あー、でも火を噴いたChangさんのグランデは
銀パネルにラッパマークの後期型だったなー。
ムヤミに安全宣言は出せないな。。。(笑)
トナルト。やはり。

唯一の違いは、正規輸入品であるという事になります。

さっすが正規輸入品!



桧山さんと、このレイルロードの上で出会えて、
またまたグランドファンクに大感謝です!




Written by Eiji Farner
2015.1.26




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